1985年に結成された、イングランド、マージーサイド州リヴァプール出身のエクストリームメタルバンド。1995年に解散したが、2007年に再結成。
メンバーの多く、少なくとも『Necroticism – Descanting the Insalubrious(邦題:屍体愛好癖)』、『Heartwork』録音時のメンバーは、全員がヴェジタリアンだった。「リヴァプールの残虐王」のコピーが有名である。
初期の音楽性は後のグラインドコア、特にゴアグラインドのシーンで今でも大きな影響力を持ち、またアルバム『Heartwork』はメロディックデスメタルの先駆けとなった。 トイズファクトリーから出ている、1stから3rdアルバムの日本盤には、それぞれの曲に変な邦題が付けられている。(「内臓大爆破」「硫酸どろどろなんでも溶かす」など)
バンド名のロゴはJeff Walkerのデザインによるものである。
Carcassの音楽性はアルバムごとに異なる。1st、2ndアルバムはデスメタル寄りのグラインドコアのジャンルに属する。彼らの曲の多くは、ギターを中心に据えて作られている。ギターリフはハードコアよりも、スラッシュメタルやデスメタルに近い複雑なものが多く、ギターソロもほとんどの曲に入っている。3rdアルバムからはギタリストが二人に増え、音楽性により顕著な変化が現れはじめる。ギターリフ、ギターソロが前作以前に比べ更にメロディアスになったことの他、クリアなサウンドプロダクション、ブラストビートやBillのボーカルパートの減少が主な変化として挙げられる。この時点でグラインドコア色は完全になくなり、以降のCarcassの音楽はデスメタル(メロディックデスメタル)に括られる。
4thアルバム『Heartwork』ではCarcassはさらに伝統的なヘヴィメタルへの接近を見せ、ギターリフもよりメロディアスなものが増えている。歌詞のテーマもそれまでのものから改め、ボーカルも専らJeffだけが担当するようになる。このアルバムにより、Carcassは商業的に成功を収め(UKアルバムチャートで54位)、日本でもオリコンの一般チャートに登場するなど、高いセールスを挙げた。一方、ファンの中には、Carcassの音楽性が徐々に普遍的になっていくことに不満を覚える人もいた。解散前に発表された5thアルバム『Swansong』ではデスメタル・スラッシュメタル色も薄れ、デスボイスを使用した、オーソドックスなハードロック/ヘヴィメタルになっている。尚、このスタイルは「グラインドロック」と呼ばれる事もある。復活後の6thアルバム『Surgical Steel』はどちらかというと『Heartwork』の路線に近い。
Current members
Jeff Walker – lead vocals, bass (1987–1995, 2007–present)
Bill Steer – lead guitar, vocals (1987–1995, 2007–present)
Daniel Wilding – drums (2012–present)
Ben Ash – guitar (2013–present)