1982年にドイツ、エッセンで結成されたスラッシュメタルバンド。
結成当初はTormentorと名乗っていたが、レコード・デビューを機にKreatorに改名した。バンド名はいわゆるクリエイターとドイツ神話の悪魔の名前に由来している。リーダーはGuitarのMille Petrozzaで、ホラー映画マニアとしても知られる。脱退時期があるもののVentorもTormentor結成時からのオリジナルメンバーである。
ドイツを代表するスラッシュメタルバンドであり、日本ではしばしばSodom、Destructionと並んで『ジャーマンスラッシュ三羽ガラス』と称されることが多い。
初期の彼らの楽曲は、Mille Petrozzaのヒステリックなボーカルに、演奏力が追いつかない程の高速なリズムで展開していく猪突猛進なスラッシュスタイルで、2ndアルバム『Pleasure To Kill』では、あのSlayer以上に高速なサウンドを見せ付けていた。その後3rdアルバム『Terrible Certainty』、4thアルバム『Extreme Aggression』では若干スピードが押さえめになったが、アルバムごとに演奏力や楽曲構成は確実に向上し、独特のリフ展開とあいまって世界中で人気を得ることになった。続く5thアルバム『Coma Of Soul』では、新加入したFrank Gosdzik(ex-Sodom)によるメロディアスなギタープレイもフィーチャーされ、曲もバラエティ豊かになった。
しかし、その後の彼らは1990年代初頭のMetallicaのブラックアルバムの大ヒットやPanteraの出現、そしてグランジブームなどの影響で、Megadeth、Anthrax、Exodus、Testamentらがこぞってスピード主体の曲からグルーブ主体の曲に変わっていったように、Kreatorもスピード主体の曲からインダストリアル要素やゴシック要素を取り入れたり、ギター・ソロを排したりと試行錯誤を繰り返した。またMilleも叫ぶのを止め、メロディを歌う唄法に移行していった。ゴシック路線では新たなファンを獲得したものの、初期のファンの多くからは失望をもって迎えられてしまい、世界的にヘヴィメタルが下火になっていった事も相まって、活動規模も縮小されることになった。後にMille自身は、この頃を「アイデンティティの危機に陥った」と評している。
しかし、2000年頃からAnthrax、Exodus、Testamentらによる初期スタイルへの回帰ブームに合わせる形で、2001年の10thアルバム『Violent Revolution』からは、再びスピーディな曲に乗せMilleがヒステリックに叫ぶスラッシュ路線へ回帰し、再び人気を得ることに成功した。一方で、単に初期の頃のようなスピーディーな部分だけでなく、中期に実験を重ねたメロディアスな部分もバランスよく曲に盛り込まれている。続く2005年の11thアルバム『Enemy Of God』、2009年の12thアルバム『Hordes of Chaos』(全米165位)、2012年の13thアルバム『Phantom Antichrist』(全米130位)でもその路線をアップデートさせている。
Current Members (リーダーはMille Petrozza)
Miland "Mille" Petrozza – vocals, guitar (1982–present)
Jürgen "Ventor" Reil – drums, vocals (1982–1994, 1996–present)
Christian "Speesy" Giesler – bass (1994–present)
Sami Yli-Sirniö – guitar (2001–present)