ギターなど音が薄くなっていて、インパクトが少ないのは事実ですが、 その分アンドレ・マトスの美しいボーカルが目立っており、聴かせるアルバムとなっています。 民族音楽のパーカッションやメロディを多分に取り入れ、効果的に消化しています。 1stだけでは示せなかった、アングラの幅の広さ、懐の深さを見せつけた作品。 ちなみにボーナストラック「Queen of the night」も名曲ですよ!
1stアルバムが傑作だったため、ちょっと拍子抜けしてしまった2nd。 コンセプトアルバム。結構プログレした曲がいっぱい。イントロダクションと2曲目の"Nothing To Say"がナカナカだったけれど、その他はちょっと捨て曲あります。 どちらかと言うと即効性はなく、聴き込んでいるうちにだんだん好きな曲が増えてくると思う。そういう意味では、長く付き合える1枚です。 Best Tune "Crossing" 買い度…65%
ルネッサンス時代の再来を願う想いを架空の国「ホーリー・ランド」に見立てた'96年発表のコンセプト・アルバムとなる2nd。 プロデューサーは、前作に引き続いてチャーリー・バウアーファイントとサシャ・ピート。 ドラマーがマルコ・アントゥネスからリカルド・コンフェッソーリに変わっている。 本作では、デビュー・アルバムで垣間見えた母国ブラジルのラテン・リズムや民族楽器の導入を前面に押し出すとともに、バンドのもう一つの特徴であるクラシカル・メロディと融合させており、2ndアルバムにして早くもこのバンドでなければ作りえない個性的なサウンドを生み出すことに成功している。 島への漂着を思わせるようなサウンドのイントロ「CROSSING」、エッジの利いたギター・リフがかっこいい「NOTHING TO SAY」、静と動との対比が美しくドラマティックな「SILENCE AND DISTANCE」、トライバルなブラジリアン・リズムからメロディアスなスピード・メタルへの転調が素晴らしい「CAROLINA Ⅳ」、まるでワールド・ミュージックのような「HOLY LAND」といったアルバム前半の流れが絶品。 アルバム後半も、ミステリアスなイントロの「THE SHAMAN」、マトスの伸びやかな歌唱が心に染みる「MAKE BELIEVE」、愁いのあるメロディが美しい「DEEP BLUE」、おそろしく陰鬱な気分にさせる「LULLABY FOR LUCIFER」と好曲が続くが、前半の充実ぶりと比較すると、やや興奮の度合いは落ちる。 その中でもスリリングなハイ・スピード・ナンバー「Z.I.T.O.」は、1st収録の「CARRY ON」の路線を踏襲する名曲。 バンドが結成されてから最初に作曲したというボーナス・トラック「QUEEN OF THE NIGHT」もなかなかかっこいいリフを持ったナンバーだ。 結局、このアルバムを気に入るかどうかのポイントは、ブラジリアン・リズムの大胆な導入を是と取るか否と取るかにあると思うが、個人的にはこの試みは大歓迎である。
2. 29 ★★ (2002-03-17 07:16:00)
“クラシック風味"は残しつつ、自らのルーツであるブラジルの民族色(特にリズム)を大胆に取り入れたことにより、オリジナリティとアイデンティティを前面に押し出してきました。基本的な路線は踏襲しつつも、個人的には疾走曲の魅力がイマイチなのも確か。前述の民族色が濃く、HMアルバムとしては異色な仕上がりだと思います。1stのような噎せ返るようなクサさのメロディはちょっと影を潜め、ある意味プログレ的ともいえる不思議な曲展開に違和感を覚えた人も多かったのでは?とにかく「リズム」に重きをおいた作品だと思います。個人的には④“CarolonaⅣ"などは1stに無かった新たな魅力が詰め込まれた名曲だと思います。
まあ初めての人は「ANGELS CRY」か「REBIRTH」を先に聴いた方がいいのかも。
4. 1343 ★★ (2002-08-24 08:20:00)
民族音楽の要素をふんだんに盛り込んだ意欲作。
実験色が強い作品だが、楽曲の質を損なうことなく上手く消化している。
スピード・チューンだけが彼らの魅力ではない。
2作目でここまで大胆な取り組みが出来る才能・自信は凄い。
87P
5. H・W ★★ (2002-08-27 19:59:00)
こういう建設的な実験は大歓迎だ。
安直にカッコいいスピードチューンでまとめたとしても、ぼくはもうあんまり大げさに感心したりはしない。
こういう、何らかの要素をHMのフィールドで消化しようと試みる取り組みの中で、名作を超えた画期的作品が生まれると思うし、そういう、意欲に満ちた作品は、聴いていて飽きない。
聴くものを脱皮させるような作品が、僕は好きだ。
10. うにぶ ★★ (2003-01-30 23:25:00)
1stも完成度の高い作品でしたが、このアルバムではその2~3歩先を行っています。クラシック、ブラジリアン・ミュージックとメタルの融合度合いは前作を遥かにしのぎ、前例のない独自のワールド・メタルの創造に成功しています。
どうやったらこんなにセンスよくこういうメロディとリズムを合わせられるのか、何度聴いても不思議でならないのですが、不自然さは微塵も感じず、いつも新鮮な驚きと共にこの深い音楽世界にのめりこんでしまいます。
演奏陣もヴォーカルも、ただテクニカルだったり変わった要素を取り入れているだけでなく、細やかな表現に気を使い、人間的な温もりを曲に加味しているあたりも素晴らしいです。心から愛しいと思える音楽ですね。
「CARRY ON」パート2や、ストレートなクラシカル・スピード・メタルを求めていた人は失望したでしょうが、多様な音楽を楽しめる雑食性の強いリスナーにはお薦めです。
1曲ごとに具体的に魅力を解析などしていると字数がいくらあっても足りないので省きますが、全曲魅力的で、それぞれ異なった個性を持っています。
ただ進み過ぎた彼らについて行けなかったファンが多かったのか、次作以降のANGRAからはこういった大胆な試みは影を潜め、様式メタル方面にちょっと揺り戻った印象があります。
HOLY LANDの路線を受け継いだのは、脱退したアンドレ率いるSHAMANですが、向こうはさらに前進し、また当然ANGRAとは違った音楽をやっていて楽しめます。
11. こうじ ★★ (2003-02-01 21:38:00)
何よりメロディがいい!!!!聴けば聴くほど味わいが増してきますよ。
各曲がそれぞれ深いです。癒されます。
それに比べて3rdは数曲を除きつまらんかったなあ。
12. すりっぷのっと ★★ (2003-05-08 00:08:00)
民族的な要素が強く受け入れられにくいのかな?
じっくり何度も聴き続けると必ず良いと思えてくるでしょう。
やっぱりANGRAはブラジルの星ですよ、ウン。
★★
16. なP ★★ (2003-07-04 02:24:00)
メロスピと言われる軽めの音楽とは一線を画した、HMの硬質なサウンドの中にクラシックや民俗音楽を用いてすこぶる高度なテクニックで味付けて、なおかつ優しいメロディが散りばめられた素晴らしいアルバムです。1st同様キーボードのシンフォニックな使い方が上手い。やはりAngraのパブリックイメージはこのアルバムでしょう。
ロックの世界でのこのような音楽性の融合ってあんまし好きなのが無いんだけど、これはすんなり自分の中に入った。自分が若い頃日本のHMバンドが流行ったんだけど、こういう大胆な方法論を取れたバンドがいなかったからあくまで一時のブームで終わったんだろうねー。日本人もこれぐらい自分の国に対して誇りを持てたらいいですね。
17. けんしょー ★★ (2003-08-19 20:14:00)
疾走曲がすべてじゃないけど。
まあ、およそHM然とはしてない。
プログレっぽくさえある。
でもまあ、それがこのアルバムの味かな。
なんとなく、いいかんじ。
心にゆとりがあるときに聴きましょう。
18. NIKE ★★ (2003-08-20 07:28:00)
俺は同じくらい好きですけどね。
リアルにAngraを体感した者でもないのですが
Angels Cry→Holy Landという流れでアルバムの色が変化するのは
当時のAngraとしてはかなり凄い実験的アルバムだったのではないでしょうか?
その反面がこのサイトのような賛否両論という状況に達してもおかしくないと思ってます。
個人的に名盤。他のアルバムが良すぎただけ。
これはDream Theaterでも良く起きている「名盤比較現象(名盤同士を比較してしまいある程度の名盤も過小評価になりがちになる)」ではないかとw
それほどAngraは偉大だと思いますね。
長々と偉そうにすいません(^^;
20. エリカ・フォンティーヌ ★★ (2003-11-14 18:58:00)
Z.I.T.Oで復活!!当時はよく聴きました。あとなにげにブリブリグビグビ言う(?)ベースが好きですね。
21. ぜるる♪ ★★ (2003-11-15 13:52:00)
その他も独特の民族的雰囲気が漂い、癒し系効果をもたらす(個人的に)
疲れた時とかに聴けるメタルです
22. ホワイト ★★ (2004-01-23 23:54:00)
歌詞カードの地図も味が出てて良い。
1stの「ANGELS CRY」、4thの「REBIRTH 」とは感じが違いますが名盤だと思います。
23. メタラァ ★★ (2004-03-23 11:26:00)
確かに⑤HOLY LAND,⑥THE SHAMAN,⑦MAKE BELIEVEの非メタル3連続はキツい人も多いだろう。個人的に⑥は正直蛇足に思う。メロディにあまり魅力を感じないから。しかし⑤⑦のメロディはかなり好きだから良し。その後の⑧Z.I.T.O.でスピードが復活するけど、個人的にはそのスピードよりもサビのメロディが最高に好き!!これまた非常に魅力的な曲である。④CAROLINA Ⅳもプログレッシヴな展開ながらメロディが非常に良い!
ただ、先に何人か触れているが音が悪いよ。ギター・サウンドがヒャカヒャカ・ペラペラで、あまりベース音が聴こえない。よって薄いサウンドになってしまっているのが残念でしょうがない。⑧はもっと良好のサウンドで聴いてみたいなぁ。いずれ「Holy Live」を聴いてみたいと思う。
メタル・アルバムとしてはスピードが足りないが、メロディは十分過ぎるほどあるので、自分は前作になんら聴き劣りするところはないと感じる。メロスピ系が人気の日本で前作より支持が劣るのはわかるが、それではもったいない、という気がしないでもない。
と言うか、俺はこのアルバム、好きです!
25. 天照 ★★ (2004-05-23 08:37:00)
もっと評価されるべきアルバムだ!!
26. 粗茶ですが ★★ (2004-06-11 02:48:00)
Drに新しくRicardo Confessori。
1stがメタル的要素の濃かったことを思うと、今作はややその傾向が薄い。
上の方々もレヴューされているようなブラジル的なサウンド、クラシックとの融合など彼らの持つバック・ボーンを窺い聴くことができる。
そのため、NIKEさんの仰った、「ブラジルではANGELS CRYよりHOLY LANDらしいです」という言葉にも、「あ~、なるほどな~」と納得できる。
1stも確かに名盤なのだが、今作もなかなかどうして、素晴らしい作品である。
ちなみに私の個人的趣味では「ANGELS CRY」よりも好感触である。
ただのメタル・バンドという枠に収まることのない彼らの魅力が詰まった好盤ですね。
Crossing~Nothing To Say、タイトル曲のHoly Land、The Shamanが好き。次点はZ.I.T.O.。