「Blood on the highway 」に続くケンのソロアルバム。 前作では、ゲストボーカルがたくさん居て、正直散漫な印象を受けざるを得ませんでしたが、本作でメインボーカルを任されているエリックは、私的には無名でしたが(笑)、頑張ってケンの曲を壊さない歌いかたをしてくれています。 また、リードギターはもう一人のケンが弾くケースが多い様ですが、ヘンズレイならやらないような速弾きをうまく曲に乗せており、こちらも頑張っていますね。
KEN HENSLEY & LIVE FIRE名義で'11年に発表された最新ソロ・アルバム。 ARTCHのフロントマンとして知られ、世のマニア諸氏からは「北欧のブルース・ディッキンソン」との異名を取ったエリック・ホークが、シンガーとして参加している点に興味をそそられて購入した作品でしたが、ここでケン・ヘンズレーが披露しているのは70年代HR・・・というよりもURIAH HEEPのエレメントがあちこちに散りばめられた、僅かに触れただけで英国風味が鼻腔一杯に広がるかのようなヴィンテージ・ワインばりのコクと深み、そして格調の高さを湛えたブリティッシュ・ロック・サウンド。 エリックもそれに併せてリラックスした歌唱スタイルに終始しており、ARTCH時代を思い起こさせる雄々しい歌い上げは残念ながら封印されているのだが、その歌唱力は相変わらずスペシャル。 重厚にしてマジカルな①や、ヒネリの効いたシャッフル・チューン②という、いやが上にもURIAH HEEPを思い起こさせるケン・ヘンズレーの真骨頂と言うべき名曲2連発も難なくこなして一気にリスナーを作品世界に引き込んで以降は、泣きのGが心地良いバラード③、スケール感と包容力を併せ持った⑧、ハード・ロッキンな曲調に哀愁を帯びたメロディとドラマティックな曲展開が絡む⑪、そして生オケを加えてより優雅に蘇ったURIAH HEEPの“CIRCLE OF HANDS”のカヴァー⑫にて幕が降りるエンディングまで、あれよあれよの60分。 繰り返しの傾聴に耐え得る味わい深い魅力に、どっぷりと浸り切ることが出来る1枚です。