2005年6月7日、Atlantic Recordsよりリリースされた8thアルバム。
ニューヨークのThe Hit Factoryで録音された最後のアルバムという名誉を受けた。「Score」のライヴDVDに収録されたドキュメンタリーによれば、John Petrucciはこのアルバムが最高の作品だと考えている。
Octavariumは、6枚目のスタジオ・アルバム『Six Degrees of Inner Turbulence』から始まったパターン、すなわち6曲でタイトルに「6」(six)があることを引き継いでいる。『Train of Thought』は、7曲を収録した7作目のスタジオ・アルバムである。バンドによる8作目のスタジオ・アルバム『Octavarium』は、すでに言及されたこととして、8曲でタイトルが「8」に関係するという、両方のアルバムで明らかな「傾向」を引き継いでいる。そのパターンは9作目の『Systematic Chaos』でも、全8曲のみだが最初の曲はちょうど9分という、異なった形で続いている。
また最初の曲「The Root of All Evil」は前作の最後の曲「In the Name of God」の最後でJordan Rudessが鼻で演奏したピアノの音から始まっており、『Metropolis Pt. 2: Scenes from a Memory』から続くアルバムの最後の音が次作の最初の音と繋がるパターンを踏襲している。ただしこちらのパターンは本作で完結している。
アルバムの全曲は異なった短音階で、F(ヘ短調)から始まり、それからG(ト短調)、A(イ短調)、B(ロ短調)、C(ハ短調)、D(ニ短調)、E(ホ短調)と続き、そしてF(ヘ短調)に戻る。これは、ライナーノーツ中のト音記号横の調号で明らかである。また、曲の組の間、すなわちCDにおいて先行する2番目のペアの曲での負の時間として表現される境界部(変わり目)は、それぞれのペアと関連付けられた臨時記号の一致によって作られる。例えば、「Panic Attack」で続くシンセサイザーのソロ(ハ短調)は、次の曲の「Never Enough」(ニ短調)での負の時間として位置し、嬰ハ短調(C# minor)である。
それまでに比べてチャートの順位は顕著に上昇し、全米36位、英国72位、日本でも10位を記録した。
Recorded:November 2004 – February 2005 at The Hit Factory in New York City
Producer:John Petrucci, Mike Portnoy
5. 某 ★★ (2005-06-07 21:02:00)
2枚目のような、圧倒的な構築美を感じるようなものはないものの、
これまでヘヴィー一徹で長尺な感があったが、それがかなりコンパクトに(それでも結構長いが)、そしてとっつきやすいメロディーに変貌した。
しばらく愛聴させてもらいます。
8. ペレストロイカ ★★ (2005-06-07 21:50:00)
へヴィーなメロディーとポップなメロディーの両方をバランス良く兼ね備えた今作。
曲の長さも、聴きやすい4:29のものから、24:00に及ぶ超大作まで粒ぞろい。
ダークで弾きまくり的な前作も好きだけど、今作の②や④みたいな曲も好きですよ。
11. minato ★★ (2005-06-08 01:11:00)
インパクトに富んでいるアルバム。ヘヴィな疾走曲、ポップでコンパクトな曲、DTの伝統的なプログレッシヴな曲、メロディアスなバラード、24分の超大作。
テクニカルなインストパートの長い曲など、7thまで多少マンネリズム化してきた感を一掃するかのように(もちろん、そのインストパートが好きで好きでたまらないリスナーも、私を含めてたくさんいるはずだが)ラブリエを大フィーチャーし、かつてないほどにメロディアス。
初心者にもお勧めできるアルバム。ラブリエの声が好きな人にとってはmust haveなアルバム。ちなみにタイトルトラックは最高。
Best Tune "Octavarium"
買い度…90%
12. WILK ★★ (2005-06-08 01:40:00)
徹底的にヘヴィな姿勢を貫いた前作とうって変わって、②や④に代表されるポップなバラード、①⑤⑥のようなヘヴィな疾走曲、そして大作の⑧と非常にバラエティに富んだ作品。
今のところ、①③⑥⑧がお気に入り。
今作は全編通してラブリエの歌唱が非常に多く、やや暴走気味だった楽器陣とのバランスが取れた気がするし、ラブリエのヴォーカリストとしての成長が伺えるので、ラブリエの歌唱が好きな人は気に入るだろう。
ただし、5、6回聴いただけで判断するのはどうかと思うが、楽曲の練りが少し足りない印象。
例えば、今作の②や④などは『I&W』の②や④を意識してるのだと思うが、楽曲の質としては後者の方が断然上。どうもラブリエに頼りすぎてる気がしてしまう。
今のところ、前作、前々作よりは好きなのだが、もう少し作りこめば『I&W』や『MP2』のような"超名盤"になり得たと思うので、少し残念な気もする。
聴き込んで印象が変わると良いが。
(勿論、買って全く損はしない。"良盤"だとは思う。)
ただ、この路線は良い選択だ。
この路線を突き詰めていけば、ケヴィン脱退後のDTにもどかしさを感じている人をも納得させる作品が出来ると信じている。作曲に時間を掛けて圧倒的なキラーチューンを求めたい。
でも、次作はコンセプトアルバムになりそうな予感…。
17. ふぁうすと ★★ (2005-06-09 21:52:00)
ジャケには並ぶ8つの球体と5羽の鳥。目の数が5と8のドミノ。蜘蛛(8本足)を中心として5層の重なりのある八角形(Octagon)。蛸(Octopus)と5匹の魚。星形とそれに接する八角形(CDのデザインもこれをモチーフとしている)、そしてScale5:8、図形を取り囲む数字に配された8。歌詞カードにおいて、それぞれの曲は○/8というように表示されている。ケースには黒鍵が5つ、白鍵が8つ(Octave:8度音程)。そしてビリヤードの球(黒球は8)。6月「8」日発売も何らかの意図された上での決定だったのか……?発売日が10月(October)8日だったら確実だったろう。
いろいろと書いてみたものの、数字が何を暗示しているのかが謎。いろいろ調べて推測しているけれど、確信に至らない……。
ただ単に8作目のアルバムを5人で作りました、なんてオチだったら凄い。
楽曲に関してはメロディーが良く、ラブリエのボーカルが大いにフィーチャーされている。
自分は変わり者なので(?)「These Walls」がアルバム中もっとも気に入った曲。
他の楽曲もかなり良い曲だと感じます。バラエティに富んでいて、それぞれ楽曲のカラーがある。
ちなみにタイトル曲「Octavarium」ではEL&Pを彷彿とさせます。
解説にあった「アルバム内の自己完結」は音以外に「糸電話の少年」が暗示しているのかもしれない……推測ですが。
個人的にはこれがDTの最高傑作とは思わないですが、しかしかなり良い作品であると思います。
楽曲、歌詞、アートワーク。これらが絡み合った「プログレッシヴな作品」と言えるかもしれない。
18. ヤング・ラジオ ★★ (2005-06-09 23:22:00)
予想以上に早く登場した新作は、大まかに言えば前作の流れの上に成り立っている作品だと僕は思う。特に⑤~⑦の流れには、前作にあった怒濤の展開力を感じるはずである。また物悲しい②も、圧巻の出来である。全体的に歌メロが増えた点は、個人的には凄く嬉しいプラスポイントである。でも彼らの作品の中で何番目に好きかと問われれば、5番目だと僕は答えるだろう。しかしそれは、新作の出来が悪いということでは決してない。
ファンの期待に答えるとは、どういう事なのだろうか......?。それは、ファンの望むものを提供するということではないハズである.......。いい意味でファンの期待を裏切る事こそが、その答えではないだろうか.....。
20. 蛇めたる ★★ (2005-06-10 22:30:00)
それでもDREAM THEATERという異常なレベルのHMバンドの作品なので、それなりではあると思う。
このバンドは「プログレ」だがそれほど難解じゃなく、いい曲は案外すぐに分かるものだ。
ただ、この度は「IMAGES AND WORDS」のようにガツンとくる曲が無い。
(このバンドが完全に「プログレ」になったのかも知れないが・・・・・・。)
前作のようにダークでヘヴィなサウンドの方が個人的に好みなので、このような感想になったのかも。
あと、インタビューでマイク・ポートノイがUKロックっぽいニュアンスを出したみたいなことを言ってたけど、
そこが今回の作品の中途半端さを出してしまったのかもしれない。
COLDPLAYとかRADIOHEADのメロディはそう簡単に取り入れられるものじゃない。
彼らのメロディ作りにセンスが無いのか、パッとしない。ここは結構、残念なポイントだった。
貶してばっかりだが、これはあくまで個人の意見。
最初にも言ったがDREAM THEATERだからそれなりに出来てる。
でもやっぱり、レベルの高い彼らならもっといい作品が出来たような気がする。
25. クーカイ ★★ (2005-06-13 21:50:00)
まあ、前々作あたりからやりたい放題というか、表現力と表現手法が格段に増してきていると考えており、前作もやりたいこととやりかたが非常に良くマッチした好盤と思っているので、最近は比較的高く評価してはいたのだが。
バンドの総合力が増したというか、とても良い雰囲気の作品である。確かに2ndと較べると、わかりやすさという点では及ばない気もする。しかし、バンドも長い道のりを経ており、その時々で実験もして今の状態に到達したわけである。聴き手としては昔作ったものと類似するものを望む気はない。これが今の私のスタンスである。
このスタンスから言わせてもらうと、本作は名盤。
最後の曲のギターはギルモアに似ている。こういうことを鼻につかせずに聴かせてしまうのは、もう十分ヴェテランの証だ。ほとんど「SHINE ON YOU CRAZY DIAMOND」なんだけど、模倣に聴こえんのよ。
34. k.s.m.2 ★★ (2005-06-26 02:27:00)
歌詞がひがみっぽくなくなった、同じく時事問題への言及が直接的には見えなくなった、職人芸なインスト・パートの比率が下がった、と語るべきことは色々ありそうですが、それらは置いておくとして(夢劇についてなら誰でも考えるでしょうし)。
今作の最大の目玉は、音楽作品として大切な"流れてくる音が心地好いのに流されていたら、いつの間にかCDが終わっていた"感覚がちゃんとあること、ですね。この快感は『Awake』以降ほとんど消えていた感があるので、まず満足です。
(熟考したという)曲順や、曲の中での部分が"こうであるべき"な滑らかな流れと共に繰り出されてくるのも、個人的には評価が高いです。
味付けの濃さを要求するのは、次回作への課題ということで。LTEならぬ夢劇本隊で、この作品の時点でそれを盛り込んだら、せっかくの(作品上で感じられるだけなのかもしれませんが)"バンドの作品らしさ"や整合性が見事に破綻しそうですから。
余談で、④「I Walk Beside You」について。
たまにはヒット・シングル狙いも見過ごしてあげましょう(笑)私自身からは「嫌いではないが不要な曲」です。ラブリエの歌(というより声?)の好みで曲についての評価が分かれる気もします。
35. メタルン ★★ (2005-07-03 10:33:00)
②以外は全部好きですね。
一番のお気にはやはり⑤でしょ!
とにかく中毒性のあるアルバム、何度も聞いてますけど飽きないな~、
39. おのりん ★★ (2005-07-21 01:57:00)
45. TDK ★★ (2005-08-27 23:47:00)
まだそこまで聞き込めてない気もしますが、感想を。
前作と比べると非常に聴きやすいです。
その分さらっと流れてしまうような部分も・・・
ただそこはDTだからこそ厳しく見ているだけであって、世間に出ているアルバムの中の1枚と考えれば十分な出来だと思います。
余談ですが、1曲目のイントロでFalling・・・的な感じを受けました。
アルバム全体として見ても近いかな・・・?