マイケル・シェンカーの参加したことで話題性十分であった前作「LOVE DRIVE」と大ヒットを記録した次作「BLACKOUT」の間に発表されたにもかかわらず、イマイチ評価の低い'80年発表作品(邦題は「電獣」)。 決して楽曲が悪いわけではなく、彼らならではの官能的なメロディを聴かせる「MAKE IT REAL」、ガッツ溢れるギター・リフの疾走曲「DON'T MAKE NO PROMISES (YOUR BODY CAN'T KEEP)」、優しげで爽やかなバラード「LADY STARLIGHT」、イントロのギター・リフの迫力にノック・アウト必至のライヴでの定番曲「THE ZOO」といった曲はヘヴィ・ローテーションになり得るし、クラウスの高音シャウトが凄い「HOLD ME TIGHT」、ギラギラしたサウンドが異彩を放つ「TWENTIETH CENTURY MAN」、サビのメロディがキャッチーな「FALLING IN LOVE」、ダークな曲調から一変するサビのメロディが美しい「ONLY A MAN」、気だるく憂鬱な気分を音にしたかのような「ANIMAL MAGNETISM」も悪くない。 確かに突出した曲はないかも知れないが、これほどの楽曲を揃えながらも高評価を得られないことに彼らに求められているハードルの高さを痛感させられる。 アルバム・ジャケットはやっぱり発禁。