正直初心者に聴かせようとは思わないし、後の彼らの数ある名盤に匹敵するとはいわない。しかし決して駄作なんかではないのがこの1ST。よくブラック・サバスのパクリとか言われる音楽性のアルバムだし、それも間違いじゃないけど、でも僕はクオリティ的にはサバスの1STにも負けていないと思う。サバスは最初にやったオリジナリティの高さが素晴らしいが、比べてPRIESTは二番煎じかもしれないけど、でもそれだけにとどまらない個性も持ってる。K.Kのジミヘン好きも伝わってくる。ルーツが良く分かる。なによりおすすめなのはバラード「RUN OF THE MILL」。これは聴いた事がなければぜひ聴いてみてほしい。たぶん驚くから。最初からこんな名曲を作れるなんて! あとタイトル曲「ROCKA ROLLA」 これなんかも後の彼らに通じる格好良いヘヴィロックだし。それ以外にも全体のクオリティもなかなか高い。ただこれは60~70年代のロックを聴き慣れた耳には充分格好良く聴けるけど、最近のメタルやロックしか聴いてないとちょっとつらいかも。結論としては聴くなら一番後回しにすべきアルバムなのはしょうがないけど、逆にいうとこれ以外のアルバムを全て聴いて、どの時代のPRIESTにもそれぞれの格好良さがあることに気付く人なら、このアルバムを聴いても良さが分かると思う。
メタルの神と呼ばれるジューダス・プリーストの、記念すべき1stアルバムです。音楽性はと言えば'74年発表ということを考えに入れてもいささか古臭いくらいのブリティッシュ・ハード・ロックです。メタル・バンドとしてのプリーストを求めて聴くと違和感が大きいことでしょう。 湿った陰鬱な雰囲気はまさしく英国風味。しかしかなり泥臭く、あまり洗練されていません。一番若い時の作品なのに、一番渋くて若さがないような気が……。ロブ・ハルフォードも深みのある声で人生に疲れたような歌詞を歌ってたり。なんかドアーズでも聴いてる気分になってきちゃいます。 しかし曲自体は全然悪くありません。なかなかドラマティックで、リフやソロも味があり、完成度は高いです。捨て曲も特に思いつかないですね。「RUN OF THE MILL」「DYING TO MEET YOU」といった曲は貫禄すら感じさせる荘厳な曲です。味わい深い。曲順の流れも非常にこだわっているようで、組曲っぽい流れもあります。 ブラック・サバスやジミヘンなんかの影響もチラホラありますが、「○○のフォロワー」って感じではなく、一応独自性は出ていると思います。まあ'70年代の音楽にそんなに詳しいわけじゃないですが、少なくともサバスともクィーンともパープルともツェッペリンとも微妙に違っています。でもブリティッシュHRど真ん中。その手の音が好きな人は楽しめると思います。しかし普通のメタル耳には厳しいと思うので、マニア向けかも。 ジャケのデザインやロゴがアレですが、まあそこは目をつぶってあげましょう(笑) 1st、2ndとも、ビクター盤を買うと音が良いので、そちらをおすすめします。ちょっと曲が抜けても構わないという人は、2枚を編集した『ヒーロー、ヒーロー』なんかを買ってもいいでしょう。 しかしGullレーベルの商売の仕方はひどいですよね…。
バーミンガムの場末感がすごく伝わってきますね。パブで毎晩酔っ払いを相手に演奏していた彼らはレコード・デビューの話を持ちかけられ大喜びで今までの手持ちのレパートリーを録音したのでしょうが、全体的に曲が起伏に乏しく演奏も特筆すべきところはありません。 ただGリフの幾つかは耳を惹くものがありますしロブのVoは感情移入が激しく見事にオクターブを使い分けアルバム中最大の聴き所となっています。さすがにもうライヴでは演奏されることは無いでしょうが、「RUN OF THE MILL」「DYING TO MEET YOU」はアンプラグド等アレンジ次第ではモノになりそうな感じです。 夜も更けた頃独りでウイスキーの水割りでも傾けながら聴けば英国情緒に浸れるかもしれません。
BLACK SABBATHを生んだイギリスはバーミンガム出身のバンドによる'74年発表のガル・レコードからのデビュー・アルバム。 メンバーは、ロブ・ハルフォード(Vo)、K.K.ダウニング(G)、グレン・ティプトン(G)、イアン・ヒル(B)、ジョン・ヒンチ(Dr)。 プロデューサーはBLACK SABBATH等を手がけたロジャー・ベイン。 本作は「若気の至りで作られた凡作」とか「現在とは異なる音楽性」といった評価が一般的で、熱心なファンからも無視された存在となっているが、そのような悪い評価しかされないのは何とも理不尽なことである。 メイン・コンポーザーの1人であるグレンが加入して間もないためいくつかの捨て曲も見受けられるし、ロブのハイ・トーンやツイン・リード・ギターといった個性も本領発揮とは言い難いが、次作「SAD WINGS OF DESTINY」に通じる様式美がここにはある。 おそろしくかっこいいキラー・リフを持ったタイトル曲「ROCKA ROLLA」や引き摺るようなヘヴィなリフがかっこいい「NEVER SATISFIED」、ロブの歌唱が見事なドラマティック曲「RUN OF THE MILL」、静と動とが同居したプログレッシブな曲展開の「DYING TO MEET YOU」は特にオススメ。 ブルージーなヘヴィ・ロック「ONE FOR THE ROAD」、グルーヴ感のあるリフが延々と繰り返される「CHEATER」もなななかの出来。 お粗末なジャケットとアルバム・タイトルがつくづく悔やまれる。
上のいくつかの意見に散見できるように、音質面、曲の構造など若いメタラーにとっては、とても 楽しみ難い作品なのでしょう。無理やり褒めるべき部分を見つけ出すより正直な意見だと思います。 僕がこの作品を購入したのは「DEFENDERS OF THE FAITH」リリース前。この時でさえ 入り込むには時間がかかったように記憶してます。なので「PAINKILLER」以降からのファンは これを聴くのはぶっちゃけツライでしょう。