1997年10月16日、Zero Corporationよりリリースされた13thアルバム。
1992年、自身のソロ・プロジェクトを巡ってレーベルと契約問題でもめ、ボーカリストのRob Halfordがバンドを脱退する。Glenn TiptonとK. K. Downingは後任ボーカリスト不在の段階で曲作りに入り、1996年1月には一部楽曲のバッキング・トラックを録音した。
バンドは世界中から送られてきたデモテープを聴いて、実際にオーディションを試みたが、結局誰一人最後まで残らなかった。因みに、このオーディションにはGamma Ray脱退後のRalf Scheepers(英語が母国語ではないと言う理由により落選)やRoyal HuntのD. C. Cooperなど錚々たるメンバーが参加していた。
そんな中、Scott Travisが持参したビデオテープに写っていたのがJudas PriestのトリビュートバンドBritish SteelのTim "Ripper" Owensだった(本人及びBritish Steelには無断)。実際にTimをロンドンに呼んでスタジオでオーディションを行い、「Victim of Changes」の2番まで歌ったところ即採用が決まったという。
本作の収録曲はTim加入前にはほとんど書き上げられた状態であり、重厚さを強調した内容で、大部分の楽曲ではギターにダウン・チューニングが施されている。
セールス的に成功せず、本国イギリスではチャート・インを果たせなかったが、日本のオリコンチャートではトップ10入りを果たした。
Recorded:1996–1997, Silvermere Studios, Surrey, England
Producer:Glenn Tipton, K. K. Downing, Sean Lynch
5. 真・マツソガソ ★★ (2002-07-30 18:51:00)
6. クーカイ ★★ (2002-10-06 12:18:00)
そりゃあどうしたってあの名盤『PAINKILLER』と較べれば、見劣りするだろう。
しかし、この怒り(憤怒と言っていい)に満ち満ちたブルータルなサウンドは買いだ。
①がもっとアップテンポの曲だったら、と思わないではないが、④とか⑨など激烈なナンバーの存在はこの作品の価値をぐっと高めている。
アーティストが自らの心情を激白したという意味において、そしてリッパーが実力を表現しきったという意味においても、本作は名盤として位置付けられると思う。
聴くたびに頭に血が上る、ある意味危ない1枚。しかしとても気に入っている。
7. m.c.A.K. ★★ (2002-11-22 11:11:00)
このアルバム全体に渦巻く怒りの空気。ROBの脱退事件に対するスッキリしない気持ちと相まって聴いていると息苦しさを感じてしまった。
「PAINKILLER」アルバムから発散される「HM界(JUDASPRIEST)を取り巻く環境に対する怒り・不屈の闘志」に対し、
「JUGULATOR」アルバムのそれは「ある特定の個人(=ROB)に対する怒り・意地」のように感じられてしまった(実際のところは不明だが)。
最近になってようやく冷静に楽しんで聴ける様になったが、特に私のようなオールドファンには「慣れ」「聴きこみ」そして何より「時間」が必要だったのであろう。
それに加えROBが(紆余曲折を経ながらも)元気に復活し、例の脱退事件が私の中で終結したことも作用しているのかも知れない。
“BULLET TRAIN"は過去の名曲群に劣らない秀逸な曲。シングルカットされたのも頷ける。
特にアルバム後半はドラマティックかつアグレッシヴな曲が目白押しだから、前半だけ聴いて「だめだこりゃ」と諦めてしまった人達は是非再チャレンジして欲しい。