79年発表。全米10位。 本作は、KANSASのターニング・ポイント的なアルバムとして位置付けられる。 まず、若干のサウンド・テイストの違いが明確に聴きとれる。簡単に言ってしまうと、音の厚みが狭くなっているのだ。そのため、guitar、keyboards、violineが個別に目立つような音創りになっている。明らかにLEFTOVERTURE、POINT OF KNOW RETURNの路線と異なる音の質感であり、異和感を感じてしまう。 と言っても、KANSASらしい叙情豊かな曲は、音の質感こそ違えども変わってない。The Other Side、Angel Was Fallen、A Glimpse Of Home、Reason To Beは、その代表と言える。逆に言うと、この叙情性が損なわれてなかったことが、KANSASの変貌振りを隠したとも思える。この微妙な奮因気が本作の魅力であると思う。結果的には、People Of South Windのシングルも生まれ、本作は成功作となったのだし。KANSASの変貌は、続くAUDIO VISIONで更なる邁進を遂げる。