72年発表。4作目。 前作でスティーヴ・ハウが加入しバンドの方向性がひとつにまとまり、そしてここでリック・ウェイクマンが加入し我々が創造するYESの音が確立された歴史的名盤。ジャケットにもロジャー・ディーンを起用し始めた転機となる作品だ。 全9曲のうち4曲はバンドとしての作品、残りの5曲はメンバーが個々にアイデアを形にしたソロ曲である。 バンドサイドの4曲はどれも必聴!文句なし。ソロのほうで良いのはスティーヴ・ハウの⑧Mood For A Dayで、あとはそれほどでもない。しかし長い曲の間にソロの作品が挟まれる形になっているのであまり耳障りではない。 とにかく!、①Roundaboutと⑨Heart of the Sunriseだけで買う価値あり! DREAM THEATERファンは是非。彼らが登場する何十年も前にこんな音楽が存在していたのです。
私のYES初体験はトレヴァー=ラビンが加入した後の『90125』に収録された、「OWNER OF A LONELY HEART」だったのですが、後追いで本作を聴いた時には固まりましたね。 あまりの凄まじさに。 こんな作品初めてだったし。特に、皆さん挙げられていますけど「ROUNDABOUT」には驚いたのなんの。 だって、全員がやりたい放題し放題で、歌いまくり、弾きまくり、叩きまくりなのに、楽曲の持つ統一感というか整合性というか。それでいて、目も眩むような一大スペクタクルが展開されるんですから。8分半が短く感じられたもんです。だから繰り返し聴いていました。 この曲だけでなく、「LONG DISTANCE RUNAROUND」とか、「HEART OF THE SUNRISE」とか、忘れてはならない「MOOD FOR A DAY」とか、名曲がひしめく本作は、言うまでもなく名盤です。 それに、ここだけの話ですが、「プログレッシヴ・ロックって聴いてみたいんだけれど」と言われたら、私はあまり迷わず本作か『CLOSE TO THE EDGE』をお勧めするでしょうね。プログレって本当に色々なものがあるけれど、「今まで聴いたことがないものが聴ける=別世界に連れて行ってくれる」という観点から判断すると、本作と次作の効能は折り紙つきです。効きますよ。これ。
聴き始めて最初の何回かは、バンドの曲とソロ作が入り混じった構成に、散漫さや荒さを感じていたのですが、慣れたらほとんど気にならなくなりました。 かえって堅苦しさがなく、気軽に楽しめて何回もリピートしちゃいます。 イエスはこのアルバムが一番好きです。曲なら「HEART OF THE SUNRISE」が最高。ジャケのアートワークも素晴らしい。
このバンドの魅力のひとつにコーラス・ワークがあると思うんだけど、 ここに収められているジョン・アンダーソンの多重録音ナンバーは、 クイーンのコーラス・ワークの雛型になったんじゃないのかなぁ。 スタジオ・トリックはゲイリー・ムーアも拝借してたっけ。 ハウの「MOOD FOR A DAY」は個人的に、1年かかって耳コピした思い出の曲。 カルカッシ風のプレイは相当に難しかったな。 プログレ未体験の方は、ポップな要素も含む本作から入るといいのかも。