解説 2005年10月5日、タイシタレーベルよりリリースされた14thアルバム。 キャッチコピーは“「すごいの、頂戴。」名盤保証!!”。 1985年の『KAMAKURA』以来2枚目となる2枚組オリジナルアルバム。「待たせてゴメン!」という触れ込みで、オリジナルアルバムとしては1998年の『さくら』以来約7年振り、ベスト・アルバム『バラッド3 〜the album of LOVE〜』を含めても約5年振りのアルバムとなり、ギターの大森隆志の脱退後初のアルバムとなった。 タイトルは、ビクターエンタテインメントの青山レコーディングスタジオの前にある、外苑西通りの通称「キラー通り」に由来。ジャケットやタイトルは、The Beatlesの『Abbey Road』のパロディであるために、『KAMAKURA』発売時同様「これがラストアルバムになるのではないか」と解散説まで浮上しているが、桑田佳祐が自身のラジオ番組『桑田佳祐のキヤノンFMワンダーランド 〜やさしい夜遊び〜』(以下同番組)で「解散は絶対に無い」と解散説を一蹴し、また本発売後から行われた全国ツアー『みんなが好きです!』の年末に行われた年越しライブでは、「死ぬまで続けます!!」とのコメントも残している。 桑田は、アルバム発売に合わせて出演したテレビ朝日系音楽番組『ミュージックステーション』などで、シングル曲についてアルバム製作のために切り続けた旨を明かしており、実質2003年からアルバムの先行シングルとしてリリースされていたものである。シングル収録曲がカップリング曲含め12曲とベスト・アルバム並みの多さになっているが、アルバムのレコーディングに時間が掛かったためにやむなくリリースされたものである。総レコーディング時間は、前作『さくら』の3000時間を上回る3300時間を費やした。なお、レコーディング時期は2003年から、本格的な歌入れは2004年からとされているが、録音された曲そのものは1999年頃に桑田やマニピュレーターが桑田のホームスタジオ(通称「猫に小判スタジオ」)で録音していたのをアレンジしたものや、桑田のソロ・アルバム『ROCK AND ROLL HERO』からのアウトテイクのも含まれている。シングル曲にはすべてリマスタリングが施され、一部アレンジも加えられた。 2枚組・全30曲収録というボリュームのアルバムにすることが決めるまでは、もちろんこれほどのシングルを網羅することは考えていなかった。2004年頃から本格的に製作を始めるにあたり「とりあえずは質より量」というコンセプトがあり、量があれば自然と質も出てくるだろうという考えがあったことを桑田はいくつかのインタビューで語っている。近年になって桑田は、本作の一部の収録曲についてやや否定的な発言をしており、「デジタルを過信してしまった」「マニアックにやり過ぎてしまった」と述べている。しかし、桑田は本作について「当時は悪く言い過ぎた」と反省をしている。 発売後の2009年初頭から2013年夏までサザンは活動停止状態になったが、桑田はその理由の一つに本作品のことに言及し「このアルバムでサザンオールスターズとしてできることの今のところほぼすべてをやりつくしたため」とラジオで公言している。