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Reroute to Remain: Fourteen Songs of Conscious Insanity / IN FLAMES
29 ★★ (2002-09-09 01:29:00)
通算6作目、ここにはすでに「北欧メロディックデスメタルの黎明期を代表するバンド」としてのIN FLAMESはもういない。SLIPKNOTらとツアーを重ね、いわゆる“ニューメタル"風の雰囲気をまとったエクストリーム・メタルとも呼べそうな1枚。
リフやメロディ重ね方、キャッチーで時にはポップですらある歌メロなどは間違いなくIN FLAMESのそれである。だが楽曲の根幹にあるのは、これまでの“叙情的な正統HM風の楽曲の上にデスVoが乗る"いわゆるメロデス的な代物ではない。よりコアで無機質な香りすらする新世紀のアグレッシブ・メタルである。“らしさ"こそ残されてはいるものの、今作に込められたアグレッションは、これまでとは比較にならないほど容赦がない。
本作は確かにこれまでに築きあげてきた彼等の魅力をあえてリセットしてしまったような印象もある。メロデスではないし、もはやデスメタルでもないかもしれない。しかし聴きこんでいけば、ここにあるのは紛れも無く「21世紀のHM」として高品質な作品であることを否応なしに自覚させられる。この変化を「バンドが世界的にメジャーになるため」のものとして否定的に捉えることは簡単である。でもそんな細かいジャンル分けや保守的な意見など吹き飛ばすくらい、本作のHMアルバムとしての完成度は高いと思う。アンダースのVoはこれまで以上にテンションの高い咆哮をあげているし、そういった意味ではデスVo嫌いの人は生理的に受け付けないかもしれない。でもあえて言いたい。「HMという音楽が好きであれば本作を聴くべきだ」と。こういった作品をジャンルでくくって通り過ぎてしまうのは勿体無い。
オマケで付いてくるポストカードはやはり不要だ。それに初回限定の特別パッケージもCDを収納する際に余計に場所を取って邪魔なだけ。

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