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In Trance / SCORPIONS
エガラー ★★ (2010-07-09 18:57:00)
初期のSCOPIONSの傑作アルバムといえば4THの「VIRGIN KILLER」(76)を挙げるのがい一般的かもしれないが、3rdアルバムでもある本作の「IN TRANCE」(75)を挙げるファンも多いらしい。確かに本作は初期のSCORPIONSのサウンドスタイルを完全に確立した作品であるので、当然であろう。ところで初期のSCORPIONSのサウンドスタイルを軽く説明すると、ブリティッシュハードロックから影響を受けたかのようなハードロックサウンドに、メロディックなサウンドに哀愁的な要素とダークネス要素を追加させたようなサウンドで、ファンからはジャーマンハードロックの手本とまで言われたサウンドと言っていいだろう。そのサウンドが本作で確立されたことを考えると、重要盤として挙げられて当然のことだろう。ちなみに本作が本邦デビュー作となり、大きな話題となったが、その要因が本作のサウンドスタイルが日本人好みのサウンドであったことだろう。またジャケットも初期のSCORPIONSでは有名な発禁ジャケの原点ともいわれ、SCOPIONSのルーツといてはかなり重要なことだ。但し個人的には本作には少々賛否がある。まず「賛」としては初期のSCORPIONSの独特の要素が遺憾なく発揮されており、名作というにふさわしい内容となっており、もうひとつが初期のギターリストのウリ ジョン ロートの個性が強く打ち出されており、恐らくSCORPIONSのアルバムの中では最も彼の個性が強く打ち出されているのではないかと思う。となると本作はウリ ジョン ロートの代表作の一枚でもあると考えてもよいだろう。しかし「否」の面ではあまりにも哀愁的でダークネスすぎたことだろう。となると本作は彼らの作品の中では、哀愁的メロディ要素と要素とダークネスな要素がもっと持つよう作品と見てもいいだろう。また日本人好みということは裏を返せば、あまりにもメロディーが強すぎるということになるし、申し訳ないが「日本人好み」はあまりいい意味ではないと思う。また個人的にはインパクト面では前作と次作と比べると劣ってるような気がするので、哀愁的なメロディ要素とダークネス要素が混ざり合ったサウンドが個人的にはウケがあんまり良くなかったともいえるが(かといってそれほど悪いわけではない)それは聴く者の好みの問題ではある、またもう少しハードロック要素が強ければ良かったのではないかと思う。そこを踏まえて考えると次作の方が評価が高かったことがわかる。からといって本作を批判する気は全くないし、あくまでもそれは個人的な意見であるのであしからず。あともうひとつ、6th以降のSCORPIONSファンには受け入れられにくい面があるが、SCORPIONSを語る上では、決して本作を欠かすことはできないどころか、許されないことだろし、それだけ本作の存在が重要であることを理解すべきであろう。少なくともSCORPIONSファンは必聴作だ!!
評価88p(賛否があるためこの位かな?)