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New York Dolls / NEW YORK DOLLS
失恋船長 ★★★ (2021-03-05 19:32:32)
非常に中性的なメイク姿が目を惹くジャケット。そこに拍車を掛けるグラマラスな雰囲気が漂うポップでキャッチーなロックサウンド。音楽性だけでいけば、英国のパンク勢に多大なる影響を与えたという点には些か違う気もするが、ロックの持つ退廃的なムード、その危うさが色濃く打ち出されている今作は、このジャンルと形容しがたい魅力がありハードロックというよりはグラムロックと呼ぶに相応しい音楽性を披露している。
このバンド、2枚のフルアルバムを残し瓦解するのだが、短い間に駆け抜けた破天荒はロックンロールライフは正にパンクの先鞭をつけるという意味では大きな影響力をもっていたのだろう。
久しぶりに聴いたが若い頃よりも許容範囲がガバガバになったオジサンになってから聴くと評価が全然変わってくる。技巧的な面や完成度の高いアーティスティックなバンドが多く出てきた70年代、その反目にある胡散臭いロックサウンドの持つ妖艶なる体臭にクラクラしますね。
ギターもワイルド、唄も粗削りだがワイルド。リズムセクションも色んな意味でワイルド。めちゃくちゃポップなこともやるのに、その姿が狐の皮をかぶったなんちゃらな悪ガキテイストもあり、何とも言えないオリジナリティ溢れる魅力がある。演奏技術なんて糞喰らえな雰囲気も、こういうロックには必要なんだろう。
総じてルーズに聴かせる辺りも計算づくと思える。面白いバンドサウンドですね。このメンバーだから出せる音。そういう姿にパンクを感じますね。ヘタウマバンドの化学反応。それは恐ろしくスパークしています。
個人的には、WASPのブラッキーがバンド末期にいたという情報が一番印象に残っていたりします。
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