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Nine Lives / AEROSMITH
T-MIRAGE ★★ (2004-04-10 08:18:00)
GET A GRIPアルバムからエアロを聞いた自分にとってはこの楽曲の質の変化にとまどい、正直GET A GRIPのほうが上だと思っていたのだがエアロの70年代のアルバムを聞き込むうちに「なるほど…」と何故エアロがこのアルバムを作ったかがわかってくる。エアロの最初の黄金期はTOYSアルバムとROCKSアルバムであると思うがこの時期の彼らの凄さはどこにあったかというとズバリ「生演奏でしか生まれないリアルな音」である。エアロ復活後の3作は確かに素晴らしいのだがそれは事前に「楽曲」を徹底的に練り上げ、それにふさわしいアレンジを「加える」ことによって出来るいわば計算された作品作りの方向性であり、その点がこのNINE LIVESは違う。ここではROCKSでのバンドの生の演奏感覚がリアルに詰め込まれている。特にジョーとブラッドのギターはいかにも計算していない生々しさを貫いている。そしてハードでヘヴィだけでなく、TOYSアルバムの柔軟な楽曲作りが施されているのだからこれは本当に凄い。
つまりこれは復活したエアロ3作のイメージを自ら叩き潰し「これが本当の俺たちなんだ。わかるかい?」とボクたちののど元に突きつけた、21世紀の更なる飛躍へ向けての布石なのだ。

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