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Decisive / SABER TIGER
火薬バカ一代 ★★ (2011-09-10 01:08:08)
下山武徳(Vo)のみならず田中康治(G)まで復帰を遂げたからなのか、90年代のプログレ・メタル路線と00年代のパワー・メタル路線の丁度中間を行く、アグレッシブにしてスリリングなHMサウンドが全編に亘って展開されている9thアルバム。
ファン的には復活作というだけで無条件に星3つを進呈したいところなれど、客観的に過去作と聴き比べてみた時、本編中盤に並ぶ楽曲の歌メロの弱さが気になった事は指摘しておきたい。
久々のアルバム制作という事で力み過ぎたのか、従来の「更にここで歌メロにもうひと捻り!」がないため、あともう少しで絶頂に達しそうなのに達せない、微妙なもどかしさが残ってしまう。
とは言えその点を除けば、下山の強靭且つエモーショナルな歌声、御大・木下昭仁(G)が田中と共に紡ぐ技巧を凝らしたGリフに流麗なソロ、タフでタイトなリズム、ドラマティックな曲展開に、憂いに満ちたメロディとテクニカルなアレンジとが綿密に編み込まれた「これぞSABER TIGER!」たる楽曲の数々は、悲壮な名曲“REMINISCENCE”を頂点に何れも聴き応え十分。(やや弱い中盤さえも、飽くまで「このバンドにしては」レベルでしかない)
ベテランらしい重厚感と、枯れることのない攻めの姿勢が同居した1枚。次作はもっと早くリリースして欲しいですね。
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