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Darkly, Darkly, Venus Aversa / CRADLE OF FILTH
Spleen ★★ (2010-12-08 00:51:03)
「夜の魔女」「アダムの最初の妻」として語られるリリスをテーマとしたコンセプト・アルバム。とはいえバソリー夫人やジル・ド・レイのように元ネタとなる歴史記録はないので、リリスの神話をもとにした暗黒物語となっています。
音楽の方向性はUsherさんも仰っている通り、前作『Godspeed…』路線の正統メタル&シンフォの融合です。それ自体に文句はないし、これまでと違う試みも見受けられたりするのに、どこか「物足りなさ」があるのがもったいない。
例えば、クレイドルのコンセプトものにつきもののイントロ、インタールード、アウトロなし。物語の主役(ここではリリス)の語り部分が少ない。最初のPVになった「Forgive Me Father(I Have Sinned)」のキーボードよりギター主体のメロディ。このあたりの変化球をもっと上手く活用してたら、それはそれで賛否両論あったかもしれないけど、面白味は増したんじゃなかろうかと思ってしまいます。
あと、単に私が聴き慣れただけかもしれませんが、「あ、ここらでブラスト入って疾走始まるな」とか曲の展開が読めてしまうので、ここらでまた変化に富んだ10分級の大曲を作ってみてはどうだろうとも思います。
しかしこの作品もまた『Thornography』同様、文句をつけながらもメロディセンスの抜群さには頭が下がります。キーボードもいいけど、上記の「Forgive Me…」に代表されるギターメロディもいい。さらに綜合評価でいえば『Thornography』より高いでしょうし、ストーリーも面白いし。
ちなみに私が買ったのもボーナスディスク付きの輸入盤です。国内盤はボーナストラックが輸入盤ボーナスディスクから2曲しか入っていないので、歌詞対訳重視でなければ輸入盤2枚組のほうがいいかも。
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