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Symbolic / DEATH
火薬バカ一代 ★★ (2007-05-28 21:14:00)
前2作に比べると少々地味な面子で製作、'94年に発表された6thアルバム。
とはいえ、作品の完成度には微塵の揺るぎもなし。チャック・シュルデナーが賢明だったのは、
前作『INDIVIDUAL THOUGHT PATTERNS』が、豪腕プレイヤー達が好き勝手に暴れまくった結果、極上のスリルと
カタルシスが生み出されていたのに対し、面子が地味な本作では同じ方法論は選択せずに、アンサンブル重視の作風に
切り替えた点。そのため、スリルやテンションの高さでは『INDIVIDUAL~』に一歩譲るものの、かっちりと
まとめ上げられた楽曲自体の完成度の高さ、分けても明快さや即効性といった、キャッチーな魅力にかけては本作の方が上。
チャックのGプレイも過去最高とも思える冴えを見せ、ソロは基より劇的且つメロディアスな
リード・プレイの素晴しさにも瞠目させられること必至。
また、前作から引き続いて参加のジーン・ホグランの存在感が益々強まっているのも本作の特徴の1つで、
MORRI SOUNDスタジオのオーナー、ジム・モリスが手掛けたエッジの効いたサウンド・プロダクションのもと、
ジーンのDsが地響きを立てて突っ走った時の破壊力と爽快感ときたら、強烈極まりない。
特に、激烈な高速スラッシュ・チューン①、劇的に疾走する⑤、本編随一のドラマ性を誇る⑥、ブルータルな曲調の中で閃く
アコギにゾクゾクさせられる⑦等、静と動、緩急、美醜を併せ持った楽曲群のクオリティは圧巻だ。
個人的には、DEATHのアルバムでは本作が一番好きかな。
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