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Wormwood / MARDUK
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2009-10-12 19:43:00)
2009年発表の11th。
タイトルは「苦ヨモギ」の意で、ヨハネの黙示録に登場する、水を苦くし人々を苦しめる星の事。…前作に続き、また聖書関連の宗教色の強いタイトルですね。

Mortuus加入以降、Legion在籍時のスタイルをかなり引き継ぎつつ、名盤と言える質の高さがあった「Plague Angel」、実験的な要素を取り入れ宗教的な邪悪さを表現しようとした、過渡期的な作品と言えそうな「ROM 5:12」を経て、今作で遂に今までのMARDUKのスタイルとMortuusの個性が融合した、傑作を作り上げたのではないでしょうか。

まず耳を引くのは、Mortuusのヴォーカルスタイル。
MARDUKではがなり、TRIUMPHATORでは呪詛系低音、FUNERAL MISTでは苦しむような呻きをメイン…と使いわけていた感があるんですが、今作はFUNERAL MISTで使用しているような、怨念と苦悩に満ちた呻きが今まで以上に取り入れられている印象。特にラストの声、部屋で聴いてるのが漏れてたらマジで精神状態を心配されそう(笑)。デス声への情感の込め方は、FUNERAL MISTの「Maranatha」に匹敵するかと思います。

また、曲の方も不気味なアルペジオが、NED勢に通じる宗教的邪悪さを演出する「Whorecrown」を初め、前作よりも更に濃いムードを醸し出すことに成功していて、よりFUNERAL MISTに近付いた感じ。
でもMARDUKらしいブルータリティやリフの分かりやすさと切れ味、メジャー性も失われていない辺りが素晴らしいです。遂に歯車が完璧に噛み合い始めた感じ。

前作は正直不満の残る作品だったんですが、今作はどっちかというとFUNERAL MISTの方が好みだった私でも大満足の作品。MARDUKの今までの音楽性やMortuusのヴォーカルに惚れている人だけでなく、全エクストリームメタラー必聴の作品だと思います。

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