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INVINCIBLE SHIELD | INVINCIVLE SHIELD (2024年)
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INVINCIBLE SHIELD | INVINCIVLE SHIELD
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解説 - INVINCIBLE SHIELD | INVINCIVLE SHIELD
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1. 失恋船長 ★★★ (2024-03-08 16:12:05)

Invincible Shield

アルバムの項目にログイン出来ないので、こちらに一旦掲載します。

先行公開された曲の出来が良く、今回はアルバムに期待が持てるとは思いましたが、正直、前作の安易な作風があるので完全には信用できませんでしたが、今作は前作の反省を生かした、らしさ全開のアルバムとなりました。
このバンドはヘヴィメタルの聖典であるDefenders of the FaithとScreaming for Vengeanceがある。さらにはブリティッシュハードとしての名盤British Steel。そしてグランジ/オルタナムーブメント前にリリースされた最後のヘヴィメタルアルバムPainkillerと、時代のアイコンとなる作品を多くリリースしてきた。それだけに、何をやっても既視感はある。
それは、彼ら云々ではない。この手のメタルを追求していると、皆がJPのアイデアを模倣する。それ故に既視感があるのだが、前作は、そういうJPの遺伝子を受け継ぐバンドよりも、自分たちで貪り尽くした、その点は全く評価出来なかったのだが、今回のその失敗を糧に実にらしい作風に落ち着いた。

彼らほどのバンドが浮き足立つことはない。ここにはNostradamusで聴かせた意欲とドラマ性がある。威厳に満ちあふれた重厚感な少ないが、メタルとして親しみやすいメロディと攻撃性、曲もバラエティ豊かだし、何よりキャッチーさが目に付く。このあたりにはリッチー・フォークナーとアンディ・スニープによるディスカッションもあったのだろうが、新鮮な風をバンドに送り込み鮮度を上げたのは間違いないのだが、CD時代の弊害である曲の多さ、もっと絞って9曲くらいにしてくれたら、どんでもないアルバムになった気がする。全体的に、どうしても淡泊に感じる点は否めない。

しかし、それは王者JPであるが故の苦言であり、正直、評価を大きく下げるものではない。前作が酷かったというバイアスも働いているのだろうが、今作は新たなる聖典と言うには持ち上げすぎだが、バンドの歴史を汚すことのない力作を叩きつけてきた。
商業誌の評価も絶賛の嵐だったと聴くが、それには乗れないのだが、前作の汚点を見事に払拭してくれた。①②③と流れが良い、それは④以降も続く、それだけに曲を絞ればもっと充足感が増しただろう。

伝統と革新。そしてバンド名に恥じない作風を作ることの難しさ。多くのバンドに影響を与えたが故の既視感と闘う宿命を背負わされた男達による苦難。今作には、そんな試練を乗り越えたバンドとしての難しい立ち位置も垣間見える瞬間がある。しかし、そこを打破したのは大きい。

ヘヴィメタルはSNSとの相性が悪い。若い子がJP最高とチョイエロを振りまくインフルエンサーは残念ながらいない。高齢化が進むメタルの世界、特にJPのファン層を考えると複雑な思いを抱くが、こういう古典を若い人にも知って欲しい。過激すぎないハードサウンド、バランス感覚に優れた一枚だ。



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