チョコチョコと先行配信を行っていたトーベン・シュミット率いるデンマークのメロディックメタルバンドによる復活作。正直、名盤『hungry for a game』みたいな路線では無いなと言うのは先行配信で聴いていたので驚きはないが、70年代的なグルーブ強めの曲調に甘い旋律を絡める仕事ぶりは流石はトーベン・シュミット。単なる回顧録的な復活ではなく現在の姿で再度降臨と行ったところなのだろう、もう少し叙情味が欲しいというファンもいるだろうが、個人的にはトーベン・シュミットの声が随分と枯れた味わいが増え、熟成されすぎた感はあるのだが、彼のヴィンテージヴォイスとグルーブ強めのAORサウンドの相性は悪くない、むしろ声質に合わせたと言えるのだが、それに聴きすすめる打ちに、このバンド特有の北欧的なフックのある冷ややかなメロディに、人肌を吹き込むトーベン節にグッと引き寄せられます。 往年のスタイルに固執すると、こうなったかと思う人もいるでしょうが、個人的にはこれはこれで大ありです。気になるのはトーベン・シュミットの衰えくらいですが、中盤くらいから慣れましたね。慣れさせるくらい良質な楽曲とメロディがあるというのがポイントです。今作を機に聴いたことのないBIG TIMEにも手を出そうと思いますね。 ギタリストの枯れた味わいのギターもイイねぇ。今作の古典的なサウンドには適しています。派手さや分かりやすさではない滋味深い味わいで勝負してきた復活作は等身大の魅力で詰まっていますよ。