そういう流れがあったとは言え、今作までのインターバルの短さに驚いたが、蓋を開けると内情はMirrorsからRevolution By Nightのアウトトラックを収録したというお話。なるほど、シーンに埋もれ亡霊と化した楽曲を蘇らせる、それは、彼らの足跡を知らしめる一因でもある、そういう意味で見るとアルバムタイトル、GHOST STORIESの味も変ってくるのだが、正直、先行公開された曲から発せられた、当時のパッケージを封じ込め現代に蘇らせた手法、その古めかしいサウンドに驚いていたのだが、前作ほどのインパクトは残していない。これはアウトテイク集だからという事前情報がなくとも、強力なキラーチェーンが散見出来ないなぁと感じるだろう。
勿論、BOC名義に恥じない内容だ。何ならアルバード・ブーチャードのお蔵入していたソロを担ぎ出した過去もあるから、こういうウルトラC的なアルバムを作っても驚きは少ない。しかし、これで有終の美を飾ることが出来たかと言われると微妙だろう。 でも、良い曲はある。かつてもやったMC5のKick Out The Jamsのクールなカヴァー。 BOC風味満点、これがアウトテイクなのかと信じられない気持ちにさせてくれたキャッチーでクールなDon’t Come Running To Me。ロマンティックなThe Only Thing。地味だが癖になるオープニングナンバーのLate Night Street Fight。このバンドらしい浮遊感のあるメロディが耳を惹くSo Supernaturalなど、要所にらしい曲を放り込み成立させている。 前後の曲との組み立ても味があり、アルバム単位で楽しめるのだが、やはりファーストインパクトで勝負できるアルバムでは無い。