Fabioの歌声は確かに素晴らしい。でも、おまけの『Loud Park 13』の『Carry On』とRebirthツアーのそれとを比べると、単にEduの歌の方が好みだというだけでなく、Angraの音楽性に合っていたと感じる。Fabioはハイトーンシンガーというより、中音域の曲を得意とするシンガーで、ライブ音源を聴いても、やっぱりRhapsody Of Fireの曲を歌っていた方がハマっているなあと思う。
前作が非常に残念な作品だった上に、ファビオ・リオーネが加入ということで、このアルバムにかかる期待は小さかった。が、これが思ったより悪くない。ボーカルのせいか曲調のせいか別バンドに聴こえるくらい変わってしまっているが、曲のクオリティは低くない。個人的にラファエルのボーカルも好きだし、満足度はそこそこ。ただ…、どうしてだろうか?面白くない。楽しくない。また聴こうって気にならない。多分それはWishing WellやBreaking Tiesなどのポップな曲や、Sprouts Of Time、Spirit Of The Airなどの心休まるバラードがなく(強いて言うならSilent Callだが展開がなく短く纏められているのが個人的にマイナスポイント)、これまで以上にアルバム全体を覆う雰囲気がシリアスだからではないかと思う。悪くはないが良くもない、普通のアルバムだと思った。