前作が9.11の後で今作は Brad Delp の死そしてマラソンテロの後と、21世紀 BOSTON の新作には事件、事情、背景が付き纏う。で、本作のタイトルだが随分使い古されたテーマだし語呂が悪い。選曲も含めて全体的に Tom Sholz のセンス、才能まで枯渇してしまったか。Delp追悼盤とはいえ前作から3曲も焼き直しは多過ぎる。新曲も比較的コンパクトな曲が目立ち、メロディアスなのに☆3つ付けられるような突出した楽曲がなく魅力に乏しい。音的には、低音の出方が悪いからどの曲も軽く、迫力、壮大感それに暖かみがない。加えてVo.は追悼盤だからって遠慮してるのか? Delp並みのハイトーンを出せとは言わないがもっと突き抜け感が欲しい。更に言えばコーラスハーモニーが透明感に乏しいのも、かつてのような宇宙的スケールを感じさせない一因だ。そうした本作の出来は、残念ながらチャートの結果にも表れており、前作よりはやや上という程度。BOSTON の作品として聴くとどうしても厳しい見方になってしまう。 More Than A Feeking の衝撃を味わうことは二度とないのかと思うと淋しいなぁ。