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TOWARDS THE ETERNAL CHAOS
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解説 - TOWARDS THE ETERNAL CHAOS
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1. Usher-to-the-ETHER ★★★ (2010-03-07 01:25:00)

2010年発表の1st。

クレジットを見る限り、作曲の舵を握っているのはKvarforthではなく、NahemothとThyrouthの2名のギタリストのようですが…ここで聴けるのは寒々しいリフを纏って疾走するパートが中心の、メロディックブラックの王道を行く音とも言える作風で、今までKvarforthが関わってきたバンドとは明らかに一線を画してますね。

トルコのバンドの感性なのか、北欧勢よりも「冷たさ」が少し弱い代わりに、独特の上品さがメロディに現れている気がします。…もっとも、音は整ってはいるものの、ノイジーなギターの音圧が強く、全く上品な感じではありませんが(笑)。

そして肝心のKvarforthのヴォーカルですが…今まで抽象性の高いブラックや鬱系のバンドでその表現力を発揮してきた彼ですが、意外にもこういう王道な音にも凄くマッチしてます。WATAINやONDSKAPTを凌駕する悪意をばら撒きながらガナりつつ、途中声が上擦るほどの怒りを篭めたり、呪い殺すような低音で呻いたりする、泥濘の中でもがき苦しみながら歌うようなスタイルは、どこかFUNERAL MISTや(Arioch加入後の)MARDUKに共通するものがあるように感じます。宗教性・神秘性が高く、エフェクトも多用するFxMxと比べると、こっちは生々しさ・感情重視という違いはありますが。

純粋に曲のみを見ても、メロディック・ブラックとしてメジャー級のクオリティのある作品ですが、Kvarforthのヴォーカルによって更に「特別な」ものに仕上がっているという印象。Kvarforthのネームバリューで買った人は今までの彼の参加バンドとの違いに戸惑うかもしれませんが、こういうスタイルのバンドでもしっかり個性を発揮していて素晴らしいですよ。



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