Asriel、メジャー初のフルアルバム。今回は作詞をVo.のKOKOMIが、作曲を代表である黒瀬 が担当...まではインディーズと一緒なのだが、メジャーではディレクターである村上純と 塩田幸成、一曲だけだが水野大輔と、黒瀬ではない人物がアレンジを手がけている。その為、アレンジが他のメジャーシーンで見られたヴィジュアル系バンド同様、普通のJ-POPになってしまうのではと不安だったが、どうやらアレンジャーはAsrielの方向性に理解があったようで、多少J-POP寄りの音にはなってはいるものの、Asrielらしさは失われていないのは嬉しい配慮。 演奏も「禁断を呪いし儚き幻想」の頃からもそうだったが、ギタリストと(一部を除いてだが)ベーシストによる演奏が加わっことで、さらにメリハリがついたのは素晴らしい。さらに、非タイアップ曲を中心に生ストリングス隊を導入しているため、シングルとは違った迫力を生み出している。インディーズはどちらかと言えばメタラー向けなのだが、メジャーはゴシックファン向け。TOKYO DARK CATSLEが大好きな人なら聴いてみて損はないだろう。 このような美点を持っているにもかかわらず、このアルバムはどうも音質が悪く、ヘッドフォンなどによってはうっすらとノイズが入ってるような音質なのはどうなのか(ぶっちゃげ、「追憶の誓い(Naked JAZZ Mix)」以外のシングル曲はシングル盤で聴いたほうが音がいいってどういうこと…)。仕様なら仕様とハッキリと書いてほしいし、そうでないなら改善盤を出すべき。