邦題『背信の門』。これまた初期の名盤の呼び名も高い3rdアルバムです。ってゆーかこの後『BRITISH STEEL』まではみんな名作と呼ばれてる気も…(名作だらけのバンドなんですよね)。ともかく完成度の高いHRアルバムです。ジャケの荘厳な雰囲気に合った、宗教的な重さを感じさせる曲ばかり。 このあたりから徐々にHMに通じる攻撃性が顔を出してきています。それが顕著なのが冒頭の「SINNER」です。後追いの私はベスト盤で彼らにはまったのですが、「PAINKILLER」などの猛烈HMソングにも負けない迫力のこの曲が、はるか昔の'77年のアルバムに入っていたと知って驚愕しました。そうそう、後でアルバムを買って、音のショボさにまた愕然としたりも(笑)。リマスター盤では改善されて迫力が出ています。 リマスター盤と言えば、私の持っているリマスター以前のCDでは、本来(5)「LET US PRAY / CALL FOR THE PRIEST」、(6)「RAW DEAL」のはずがなぜか(5)「LET US PRAY」、(6)「CALL FOR THE PRIEST / RAW DEAL」となっていました。(5)で「Call for the priest~」って歌っているのに何故?と長らく思っていたんですが、ミスプリントだったんですかね。アートワークの色合いもリマスター盤の方が良いし、買うならリマスター盤ですね。 ボーナス・トラック「RACE WITH THE DEVIL」は初期のジャムからのものらしいですが、イントロはともかく中身は軽快なHRナンバーで、アルバム本編に入れたらやっぱり浮いちゃう曲です。でもリフが印象的で、キャッチーな佳曲です。『KILLING MACHINE』あたりになら入ってても良かったんじゃないかな~。 もうひとつのボーナス曲「JAWBREAKER」(LIVE)はあんまり良い出来のライヴではないですね。まあおまけということで。
前作の路線を踏襲し、よりブリティッシュな作風となった3rd。 まぎれもない初期PRIESTの代表曲「SINNER」、イントロからの展開がとてもかっこいい、ジョーン・バエズのフォーク曲のカバー「DIAMONDS AND RUST」、ややキャッチーで魅力的なリフを持つ「STARBREAKER」、癒し系ともいえる異色バラード「LAST ROSE OF SUMMER」、どこまでも伸びるような声とメロディアスなギターの聴ける隠れた名曲「LET US PREY/CALL FOR THE PRIEST」、へヴィな曲調からテンポが上がる展開がかっこいい「RAW DEAL」、ロブの歌が慟哭の如き「HERE COME THE TEARS」、SLAYERもカヴァーした、ロブのシャウトがミステリアスな「DISSIDENT AGGRESSOR」と本作も楽曲が充実しているが、個人的にはちょっと綺麗にまとまりすぎてるように感じる。 ちなみにプロデューサーはロジャー・グローバー、ドラマーはサイモン・フィリップス。
全体的に大人しいイメージのある作品ですがその分メロディアスな点ではピカイチ なアルバムです。 最初の4曲が特に好きですね。複雑な曲構成の「SINNER」、哀愁漂うカバー曲「DIAM ONDS AND RUST」、重く力強い「STARBREAKER」、美しいバラード「LAST ROSE OF SUM MER」などバラエティ豊かなところにも注目です。 後のメタルなアルバムと比べると地味で大人しいこのアルバムですが、じっくり聴き こめばジワジワと味わいが増すアルバムです。 ブリティッシュハードロックとはこういう音ですね。
メジャー・レーベルであるCBSに移籍後の'77年に発表された3rd(邦題は「背信の門」)。 アラン・ムーア(ds)が脱退し、特別出演名義ながらデビッド・カヴァデールやジャック・ブルースとも共演した名手サイモン・フィリップスが参加している。 プロデューサーは元DEEP PURPLEのロジャー・グローヴァー。 前作「SAD WINGS OF DESTINY」を踏襲した作風で、まだまだヘヴィ・メタルというよりは様式美テイスト溢れるハード・ロックといった趣きだ。 アルバムのオープニングにふさわしいかっこいいギター・リフを持った「SINNER」、フォーク・シンガー、ジョーン・バエズの曲の秀逸なカヴァー「DIAMONDS AND RUST」といった代表曲を筆頭に、歌メロがキャッチーな「STARBREAKER」、PRIEST史上で最も甘いバラード「LAST ROSE OF SUMMER」、スピーディーかつメロディアスな正に隠れた名曲と呼ぶにふさわしい「LET US PREY/CALL FOR THE PRIEST」、グルーブ感溢れるヘヴィ・チューン「RAW DEAL」、ロブのハイ・トーンとディープ・ヴォイスとの使い分けが見事なパワー・バラード「HERE COME THE TEARS」、ロブの狂気じみたスクリーム凄まじくミステリアスな「DISSIDENT AGGRESSOR」と、捨て曲は見当たらないが、若干オーバー・プロデュース気味なのが残念。 リマスター盤にはボーナス・トラックとして、英国のGUNのカヴァー「RACE WITH THE DEVIL」とライヴ版「JAWBREAKER」を収録。 アルバム・ジャケットがミステリアスでありつつも美しい。
前作で見せた叙情的なサウンドをより前面に出したかのような3rd。 サウンドはまだまだ軽さが抜けきっていないが、現在のライブでもお馴染みのDiamonds And Rustや、 「PRIEST IN THE EAST」でパワーアップしたStarbreakerなど、聴くべき曲は多い。 湿り気のある、まさに「ブリティッシュ」なサウンドで統一されている本作から、 次作「STAINED CLASS」で一気にメタリックなサウンドに進化したのはある意味凄いと思う。 「ハードロックバンド」としてのJUDAS PRIESTの最後のアルバム。