「TURBO」と並んで問題作とされているこのアルバム。 バンドの肝でもあったギター・ソロは激減し、前作以上に贅肉を削ぎ落としたシンプルな作風であるため、JUDASはヘヴィ・メタルの最高峰であってほしいと願う向きには物足りないかもしれない。 ライヴでも演奏されることの多い、ギター・リフが魅力的な「HEADING OUT TO THE HIGHWAY」、JUDASの作品中でおそらく最もシンプルなギター・リフの「DON'T GO」、ヘッド・バンギングを誘う超名曲「HOT ROCKIN'」、イントロのギターが妙に明るい「TURNING CIRCLES」、メロディアスなサビとギター・ソロ、ロブの歌唱が素晴らしい名曲「DESERT PLAINS」、イントロのギター音やサビのない歌が実験的ですらある「SOLAR ANGELS」、跳ねるリズムがキャッチーな「YOU SAY YES」、明るくキャッチーな「ALL THE WAY」、「LIVING AFTER MIDNIGHT」のような明るさとノリを持った「TROUBLESHOOTER」、イントロのメロディアスなギターとロブのハイ・トーンが心地よい「ON THE RUN」と楽曲の出来は決して悪くは無いが、初期の頃のような様式美は薄れてしまった。
確かに一度聴いてすぐ気に入る人は少ないんじゃないでしょうか。 メロディがヘンテコなのがポツンとあったり、全体的に地味に感じます。 私も最初は復讐の叫び、背徳の掟、ペインキラーのような所謂「普通にかっこいい」音楽に偏っていて、正直駄作だと思いました。 ブリティッシュスティールのYOU DON'T HAVE TO BE OLD TO BE WISE(長い…)が最初あまり好きになれなかったのもそのせいかもしれません。今では逆にこういうシンプルなヤツの方がかっこよく感じられます。 HEADING OUT TO THE HIGHWAY、DESERT PLAINSは特に好きな曲です。 DESERT PLAINSのライヴVER.はスピード感が増していてかっこいいですね。 ステンドクラスのぼやけた感じも好きなんですけどね。
カレーメタリカンさんとほぼ同意見です。 リアルタイムで聴きましたが、当時は何か肩透かしをくらわされたような気がしていました。「UNLEASHED IN THE EAST」のようなテンションの高さを求めていたからかも知れません。 今ではJUDASのアルバム中、最も好きな1枚になっています。決して「JUDAS最強のアルバム」などとは言いませんが、芝居がかった演出やガキっぽさを抑えた、大人でも聴ける渋いHMに仕上がっていると思います。ジャケットも渋いっ!
ちょっとパワーがなくて物足りないアルバム。と、最初は思った。でもJUDASのアルバムの中ではかなり良く聞いたほう。DESERT PLAINSは文句無しにかっこいい(ライブだとさらにかっこいい)し、他の曲もクオリティ高い。リアルタイムでは知らないけど、このアルバムを聞いたときに、TURBOも全然問題作なんかじゃなくって、これもJUDASなんだって思った。JUDASの中では、良く聞くアルバムベスト5に入る。(あと、SAD SINGS OF DESTINNY, DEFENDERS OF THE FAITH, TURBO, PAINKILLER)
前作「BRITISH STEEL」の作風を踏襲しつつ、よりシンプルになった'81年発表作品(邦題は「黄金のスペクトル」)。 プロデュースはバンド自身とトム・アロム。 「TURBO」と並んで「問題作」と評価されることの多いこのアルバムであるが、楽曲そのものの出来は悪くない。 ライヴで演奏されることも多い、明るく軽快なハード・ロック曲「HEADING OUT TO THE HIGHWAY」、あまりにもシンプルなギター・リフを持つ「DON'T GO」、繰り返されるリフがキャッチーな「TURNING CIRCLES」、ダイナミックなドラミングと質の高いメロディを持った名曲「DESERT PLAINS」、サビがなくとも壮大なムードを醸し出している「SOLAR ANGELS」、小気味よく刻まれるリフとキャッチーなメロディが印象的な「YOU SAY YES」、ロブのヴォーカル・メロディが主体の「ALL THE WAY」、まるでAC/DCのような「TROUBLESHOOTER」、ロブの高音で伸びやかな歌声が素晴らしい「ON THE RUN」と、シンプルながらもソリッドでメタリックなサウンドであった前作に対し、本作はキャッチーでアメリカナイズされた感がある。 かっこよいギター・リフを持った疾走感溢れる名曲「HOT ROCKIN'」の存在がギラリと光っている。 駄作とまでは思わないし、好きか嫌いかと言われればやはり好きなアルバムであるが、これまで発表してきた名盤に比べれば聴き劣りする感があるのは否めない。 リマスター版には「TURBO」発表後に作られた好曲「THUNDER ROAD」と疾走感を増したライヴ版「DESERT PLAINS」を収録。 ちなみに米版はジャケット違いで発表されている。
METAL GODの異名を持つJUDAS PRIESTの賛否両論作のひとつとして有名なのが7THアルバム、つまり本作である。当時PRIESTはアメリカ制覇を目論んでたため、ポップな要素が強いサウンドになってしまったとも言われているようだが、ファンの賛否の裏腹にセールス面では成功したようだ。 そこで何故賛否両論になったかというと、さっき言ったことだが、これまでの作品よりもポップ要素が強くなってしまったことだが、でも個人的にはかなり気に入っている。本作の代表曲といえば(1)(3)(5)ぐらいであるが、全体的に聴き応えがあるナンバーも多く、またポップな要素が強い分・ヘヴィ要素が薄いが、かえって聴き心地が良かったりもする。とはいえ本作を批判するファンの気持ちはわからなくはないが、駄作であるということは決してないと思うし、かえってもう少し評価されてもいいんじゃないかと思うくらいだ。また本作ががあったからこそ、次作のような傑作アルバムが仕上がったんではにかと思うし、否定するにはあまりにも分が悪すぎるし、その面を踏まえて考えると傑作への架け橋としての評価ぐらいはしてもいいんじゃないかと思う。でもそれは聴くものの好みの問題で、あくまでこれは自分の意見に過ぎないと思うが、メタルファンだったら一度だけでもいいから聴いてみてはどうだろうか? 評価94P