有名なデヴュー・アルバム。邦題は、「幻想飛行」。ナイス・ネーミングである! 1曲目のMore Than A Feelingは、まさに幻想飛行。トリップします(冗談)。 さて、本作はアコギとエレギがうまい具合に混合していることが特徴である。そして、メロディアスなHRアルバムである。Rock And Roll Band、Smokin'といった秀逸なHRナンバー、アコギ、エレギの混合を代表するMore Than A Feeling、Peice Of Minds、Somtheing About Youナンバーと、佳曲揃いなのである。 また、Foreplay/Long Timeでは、プログレの影響も受けていることがうかがえる。 曲構成、音のバランスが優れており、飽きない内容に仕上がっていると思う。
初めて買ったレコードはセカンドの"don't look back"なんですが、アルバムとしてはこちらの方がよいと思います。セカンドはB面がちょっと手ヌキなので・・・ "more than a feeliing"は墓に持って行きたくなる名曲です。ラストナンバー以外(笑)は捨て曲なし!!「産業ロック」のルーツみたいなもんですよね。
一曲目のMore Than A Feelingがボストンというバンドの全てを語っていると思います。 その曲が収録されているというだけあって、やはり名盤と言える内容。 何が凄いって、トム・ショルツの世界観がモロにでているサウンド以外ないでしょう。 30年も昔の音でこれだけ綺麗な物が他にあるのでしょうか?? 私は70年代物でこれ以上のサウンドを未だに聴いた事がありません。 アナログで聴くと一番音がイイと言われている作品もコレです。
76年に発売されたアルバム。リマスター盤のCDのブックレットによると、最後のLet me take to home tonightはロサンゼルスでトム・ショルツ以外のメンバーで収録し、その後トムも加わって多重録音したもので、それ以外の曲はドラムとヴォーカルのパート以外は全てトムが作り上げた音である。 当時は当然Rockmanなどという便利な機材は無く、マーシャルの古いアンプを改造したり、エフェクターを改造したりして音作りをしていたらしく、また多重録音の際も手拍子でリズムを取っていたらしい(そのせいなのかは分からないが、More than a feelingやForeplay/long timeでは手拍子が聞こえる)。それらの要素から、重厚で粒立ちの良い中音域が異常に強調されたギターサウンドを作り出せたから凄い。 また知り合いの伝を辿って、ブラッド・デルプ氏のヴォーカルを見つけ出したのも奇跡である。友人で元ボストンのギタリストのバリー曰く「ツェッペリンの曲を歌っているのを聴いたとき、耳から声が離れなかった」との事。また一時期英語版wikipediaには、「共鳴した声を持つテノール歌手」とも書かれていた。所謂「1/f 揺らぎ」とかいうもので、癒しの効果が声に含まれているという。 以上の要素が重なり、2010年現在1800万枚以上を売り上げているとも言えよう。
JOURNEY、STYX、KANSASらと共に、一時は「アメリカン・プログレ・ハード四天王」とも並び称された、マサチューセッツ工科大学卒という異色の経歴を誇る才人トム・ショルツ(Key)率いる理系ロック・バンドBOSTONが、'76年に発表した1stアルバム。(邦題は『幻想飛行』) 70年代初期から活動を開始し、音楽的試行錯誤を重ねて来た他の3バンドに比べ、後発のBOSTONはデビュー当初より一貫してポップなアメリカン・ロック・サウンドを志向しており、壮麗なギター・オーケストレーション、良く歌い良くハモるツインG、クセなくクリアに伸びていく故ブラッド・デルプ(合掌)の歌声と、ファルセットを効果的に用いた美しいボーカル・ハーモニー、それに軽やかなハンドクラップ(手拍子)等、そういった要素一つ一つを丁寧に組み上げ構築された、メロディアスで透明感を湛えた「BOSTONサウンド」は、既に立派にその個性を確立済み。 と同時に、彼らのカタログ中最も強くプログレ色が滲み出ているのも本作の特徴の一つで、特にそれを強く感じさせるのがトム・ショルツの操るハモンド・オルガンの活躍っぷり。取り分け、2部構成からなる7分以上に及ぶ大作③や、ブギーの軽快な曲調から一転、インスト・パートではハモンドがドラマティックに唸りを上げる⑤は、このアルバムでしか聴く事の出来ないタイプの名曲かと。 我が最愛のバラード“A MAN I'LL NEVER BE”が収録されているのは2nd『DON'T LOOK BACK』なれど、「BOSTONの魅力全部入り」といった趣きの名曲①②を筆頭に、最初から最後まで一切の捨て曲/埋め曲の類の見当たらぬ本作こそが、このバンドの最高傑作ではないかと思うのだが、如何でしょうか?
More Than a Feeling…曲レビューでも述べたが、同じ1976年でもEAGLESのHotel Californiaより早い夏頃にリリースされ、当時スネっかじりだったガキんちょのハートを鷲掴みにした曲である。もっとも自分の場合は最初この曲しか知らず、英単語の記憶力では敵わなかった同級生から"アルバム全部いい曲だよ!"と言われてようやく聴き通した。 奴は正しかった。基本は70sアメリカンロックであり初期EAGLESのようなカントリーテイストまで混じっているけど音が違うよ音が。そしてどこまでもクリーンなDELPの歌声。ホテカルといいDEBBIE BOONEのYou Light Up My Lifeといい比較的ネクラな曲が目立った76~77年にあって、1.ひいては本作こそが一縷の光明だったと言っても過言ではなかろう。 当時盤のライナーノーツにある通り、エレクトロニクスを駆使しての奥行き深いサウンド作りという新しい要素をもって登場したBOSTON。以来40余年、本作は売れに売れて今やダイヤモンドディスク認定だとか。もう十分元は取ったよねSCHOLZさん。