『ポール時代とは別のバンドとして聴く』これが正解だと思う。 やはり、80年代後半から90年代にかけてロックに興味を 持った人は、本作のようなムードに対して、良さは 感じないのだろうか。 簡単に言うと、Lean into Itは作りこみすぎ。 GET OVER IT はナチュラルということになる。 私は、中学校以来、洋楽、中でもロックしか聞かず、邦楽には一切 興味がなかった。なぜなら、邦楽は、そのほとんどが作りこみされて いるからだ。確かに邦楽にもいい曲はある。しかしハードロックの 原点は、思いつくまま、エモ-ショナルにメロディを奏でることだ。 で、本作であるが、リッチーはかなり気ままにやろうとしているが、 どうも周りがそれを許してくれなかったようだ。 よって、適度な作りこみが入っており、逆にそれが本作の完成度を 高めているように思う。 昔からハードロックの名盤というのは、才能あふれるアーティストらが 自分達の思うままにやろうとするが、レコード会社等の周りが それを許さず、時代や市場にマッチした要素も取り入れることにより 誕生するものだ。 本作の中で、モロ リッチー節が聞けるのは、3曲目のHiding Place と10曲目のMr. Never in a Million Yearsだろうか。両者ともほとんど 話題にならない曲のようだが、一方 Lean into Itの中でも評価は高くないようだが、例えばNEVER SAY NEVERは、 聴いていて非常に苦しい。どうだろうか? はっきり言っておく。本作にはダイヤの原石のごとき、クールな曲が満載だ。 個人的には、Lean into Itなんかより、はるかに好きだ。