日本ではDEEPPURPLEの陰に隠れてしまったのか、あまり話題に上らない彼ら、実は僕も彼らについては相当後追いなんですけど、一番好きなのがこの作品。 オープニングの“Look at Yourself"のHENSLEYのプレイを聴いただけでもその凄さがわかる。確かに後追い世代の僕にとっては古めかしく聴こえる音ではあるんだけれど、それを差し引いてもこの時代にこれだけレヴェルの高いHRがあった事を知っただけでも儲けものなのである。 現在は元GRANDPRIXの2人が加入し、僕的には親近感が湧くバンドになっているので、今後も応援していきたいですね。
名実共にURIAH HEEPの名を世界に知らしめた3rd。 リフやスライドギターをフューチャーしたLook At Yourself、アップテンポのTears In My Eyes、隠れた名曲Shadows Of Grief、 ブリティッシュハードロックの名作バラードと言われるJuly Morningなど、完成度の高い作。 ハイトーンのコーラスとキーボードを主体としたアンサンブル重視の音楽性。 シンセやオシビサのパーカッションによるアフリカンリズムの導入といった実験も成功している。 個人的にお薦めはI Wanna Be Freeの終盤の故デヴィッド・バイロンの絶叫。
70年代ブリティッシュHR三大バンドのZEP、PURPLE、SABBATHの影に隠れて知名度ともに商業的に地味なバンドだけど、「Look At Yourself」、「July Morning」というバンドの代表曲が並んでいる'71年発表の作品。 邦題「対自核」(いかにもプログレっぽいタイトルと昔のBURRNでも言ってた)。 「Look At Yourself」、「July Morning」を筆頭に、デイヴィッド・バイロンのファルセットのヴォーカル・ハーモニーと、ケン・ヘンズレーのハモンド・オルガンを全面的にフィーチュアした、ZEPやPURPLEとは異色の、HRにハモンド・オルガンの神秘的でどこかミステリアスな雰囲気と、プログレ・ハードな空間を感じさせる、典型的なURIAH HEEPのオルガン・サウンドを提示した70年代ロックの名盤。
来年早々バンド結成45周年を祝って「LOOK AT YOURSELF」を中心とした構成の大阪と川崎で行う彼ら、しかもゲストにはジョン・ロートンのルシファーズ・フレンドときていますからね。見に行きたいなと本気で悩んでいるのですが(ロートン目当てです)ヒープと言えば今作を代表作と押す人が多いでしょうね。濃厚なプレイを楽しめるスピードナンバーの①やドラマシズム溢れる③この2曲を聴くだけでもお腹いっぱい、もう一杯となるのですが、美しいハーモニー、ヘヴィなオルガンや幻想的な鍵盤楽器、さらにはミックのワウをかましたギター、シンプルだがメロディアスなプレイが耳を惹くベースと、的確なビートを刻むドラミング、濃密だか余分な要素を排除し研ぎ澄まされた感性がぶつかり合い昇華される様の凄みには、もはや驚嘆あるのみ。今のご時世もっとヘヴィでハードな楽曲やサウンドはあれど、濃密な音の塊が混然一体となり聴き手を押しつぶすような迫力は、今アルバムならではのありようだと思わずにはいられません。豊富なアイデアを纏め上げ破綻をきたさぬよう丁寧に作り上げたミュージシャンシップの賜物が散りばめられた70年代ロックを語る上で外す事の出来ない至高の一枚。どうやったってレトロな音ではありますが若い人にこそ理解してもらいたい楽曲は詰まっていますね。