1991年11月18日、Island Recordsよりリリースされた7thアルバム。
1993年のグラミー賞最優秀ロック・グループ受賞。
ルーツ・ミュージックに接近した1980年代後半の音楽性と決別し、対極的な「1990年代型U2」を宣言した作品。硬派なロックサウンドから打ち込みを駆使したダンス・ビートへ転向し、歌詞も官能や不道徳を赤裸々にさらけだすものになった。 その衝撃的な変身ぶりは、ファンを中心に多くの物議を醸した。しかしそれと同時に多くの新たなファンを獲得した作品でもあり、それまでの商業的な大成功の後でのこの大胆な路線変更は、以前とは違い多くのミュージシャンからも評価を得るものとなった。 また、ZOO TVツアーの奇抜なステージセットやライブパフォーマンスも話題を呼んだ。
U2が新路線を見出した背景には東西冷戦構造崩壊後の混沌とした世界情勢や、湾岸戦争の衛星テレビ中継(テレビの中の現実)があった。これら新時代の流れをシニカルかつスタイリッシュに捉えたのが本作である。
「Zoo Station」はベルリンの動物園駅からのネーミング。「Until the End of the World」はWim Wenders監督の映画『夢の涯てまでも』の主題歌。「One」は、後にMary J. BligeがU2との共演でカヴァーしている。
アルバムタイトル「Achtung Baby」の由来については、バンドのサウンドマンであるジョージ・オハーリーがアルバム「The Unforgettable Fire」以降U2が自らの音楽スタイルを変化させながら巨大な存在へと変貌していく姿を描写して名づけた“Dangerous Baby”から来ているといわれている。
ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・ベストアルバム500において62位にランクインされている。
Recorded:October 1990 – September 1991
Producer:Daniel Lanois, Brian Eno