すさまじい熱気である。歓声の中"THE HELLION"が流れてきたときといったらもう・・・ 確かに前任者は凄まじいヴォーカリストである。だが、ライヴでここまで歌うことはできただろうか?リッパーは選考に次ぐ選考の中、勝ち残っただけあるヴォーカルを聴かせる。「PRIEST,,,LIVE」での"ELECTRIC EYE""THE SENTINEL"の前任者の歌い方に不満を抱いていた私だが、このアルバムを聴いてほんとにすかっとした。叫ぶべきところで叫ぶ・・・特に"ELECTRIC EYE"のギターソロの後、あのリフに入る前のシャウト!!「そうなんだよー、こうやって歌って欲しいんだよ。」と本当に思った。"RAPID FIRE"も凄いヴァージョンである。 また、バックのギターサウンドもヘヴィである。進化し続ける怪物バンドの名にふさわしい、現代のメタルサウンドがここにある。ただ、ちょっと音が薄いように思える。特にグレン・ティプトンのプレイが聴き取りにくい。そのため、名演で知られる"BEYOND THE REALMS OF DEATH"あたりはちょっと肩透かしを食らってしまうかもしれない。"VICTIM OF CHANGES"・・・この曲は果たして名曲なのだろうか?と思っていた私だが、このギターサウンド、このヴォーカルパフォーマンスでやられたら何も文句は言えない。やはり名曲だった。ソフトに歌っても凄さを伝える"DIAMONDS AND RUST"も凄いといえば凄い。ただ、"PAINKILLER"は限界かな?でも、20曲歌った後でこれくらい歌えば誰も文句は言えない。 とにかく凄いヴォリュームである。「JUGULATOR」は問題作かもしれない。しかし、このライブでの現代のサウンドでの過去の名曲をやらせたら凄まじい事が分かった今、やはり私は次の作品がこのライブで聴かれる「融合」が上手くいくことを祈っている。K・K・ダウニングの「メロウな気分ではなかった」の発言から「じゃあ、次はメロディーが増えるのか!?」という期待もある。ああ、2000年4/10現在、私はJUDAS PRIESTの次作が凄まじいものになるような気がしてたまらない。