今の様式美しか知らないリスナーは可愛そうだ。コンチェルトムーンぐらいのレベルで満足してしまっているのだから…………。 中間英明のギタースタイルから様式美というカテゴリーにもハメられていたハリースキュアリーだが、バンドサウンドはVoがハイトーンという点を除いてはANTHEMに近い硬質なブリティッシュハードだった。正式なフルアルバムがBREAK IT UPという企画モノだけというのが非常に残念。あのアルバムは曲も煉られていなかったし、リバーブが掛かりすぎていた。ハリーの良さはアレでは中々伝わりづらい。 ほとんどの人は大幅なメンバーチェンジ後のハリーしか見たことないかも知れないが、BATTLE OF METALというSMSからリリースされたオムニバス盤の頃のラインナップも中々強者揃い! 出原卓のドラムは生で見ると飛びぬけてカッコいい!アクションも凄いが音はコージーパウエルそのもの! 中間のギタースタイルは他の様式美系のギタリストとは一線を画するレベル。イングヴェイちっくな速弾きが主体だが、それは後期のもの。元々のギタースタイルでも充分通用するセンスを持っているのに、後からイングヴェイに傾倒したのだ。だから他のイングヴェイ系速弾きギタリストよりも断然「聴くに通用する」ギターを弾く。 オススメ音源は正式盤では存在しないので、ライブ録音テープなどをネットで探して入手するしかないだろう。でも、その価値は充分にあると思う。