解説 1987年5月23日、Noise Recordsよりリリースされた2ndアルバム。 日本盤はビクターエンタテインメントから発売された。邦題は『守護神伝 -第一章-』。 Kai Hansenにその力量を見込まれ、Michael Kiske(当時18歳)がヴォーカルに加入して制作された。Kiskeのソフトなオペラ風のヴォーカルにより、元々あった叙情的な音楽性が飛躍的に成長し、Kiskeは曲作りを行うなどバンド内での存在感を早くも誇示している。 元々は2枚組アルバムにする予定であったが、アレンジなどが不完全で、良質な楽曲が少なかったため見送られた。翌年に本作のアウトテイクの他、新たな楽曲を追加した『Keeper of the Seven Keys: Part II』が発表されることとなった。Michael WeikathはPart IIと比較してサウンド自体は、本作の方を気に入っている。 Weikathは当時、神経衰弱に陥っており、本作では『A Tale That Wasn’t Right』、Kai Hansenとの共作『Follow the Sign』を含めても2曲しか製作していない。そうして作った曲は奇妙だと言われ、凄く落ち込んだという。演奏面ではギターソロしかプレイ出来なかったため、バンドからクビにされる状況になってもおかしくなかったという。結果的にバンドに残れて嬉しかったとWeikathは振り返っている。また、この時の体験から、自身を癒すため、大曲『Keeper of the Seven Keys』製作へと繋がっていく。 LP盤は見開きジャケット仕様である。メンバーは最初から見開きにしたかったが、Noise Recordsの社長のKarl-Ulrich Walterbachが、前作『Walls Of Jericho』がCeltic Frostに匹敵するセールスを上げることを条件に挙げた。発売後、早い段階で売り上げ目標を達成したため、本作で見開きにすることが出来た。また、多くの曲を作っていたHansenはWalterbachから速い曲が足りないからもっと書くよう命じられていた。 イギリスのロック専門誌Kerrang!の編集者Malcolm Domeは当時、「5年前のDef Leppardの『Pyromania』以来最も注目すべき傑作」と評した。ドイツ国内の12万5千枚以上の売り上げも含め、世界中で約50万枚を売り上げ、ジャーマンメタルバンドとしてのハロウィンの名を海外に広めた。この人気に呼応する形で海外ツアーを積極的に行い、翌年8月にはMonsters of Rockへの参加を果たしている。