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A Fine Day to Exit / ANATHEMA
mokusatu ★★ (2006-05-14 02:55:00)
01年発表の6th。Les Smith(Key。元CRADLE OF FILTHのLecter)がメンバーに加わっている。
私は前作「JUDGEMENT」は未聴だが、聴いていて不意にSENTENCEDを思い起こした。それは無論音楽性からではなくて、「昔は昔、今は今」でどっちも好きになれそうなその品質において、である。このアルバムはゴシックでない。メタルでない。ハードロックでもない。単にロック・アルバムだ。
ゴシックの重さや耽美志向はほぼ皆無、メタル的リフの魅力・攻撃性も皆無、というかもう、ギターに比重が置かれてない。ロックになったと言ったら一言だが、代価として浮上させた魅力は、4th「ALTERNATIVE 4」から少しづつ導入されてきた(であろう)コーラスワークなのではないか。女声も取り入れられているし。つまり、このアルバムの軸になっているのは、ギターでもオーケストレーションでもなく、「歌唱」なのだ。
Vincentの歌唱も充分魅力的である。ジャンルの檻から逃れて歌い易い音域のメロディに出来たのだろう、以前のような無理してる感じが全くない(バンドの核を担えるほどかは、一概に言えない)。相変わらずの鬱々とした歌詞世界が、美しいコーラスワークを伴って、静かに、激しく、情感を込めて語られる。
Dannyのフィードバックギターもここぞという所でしっかり自己主張してくるし、これは紛れもなく、ANATHEMA流「陰翳礼賛音楽」である。
ていうか。
このアルバムを支持する前提は、個人的な「ANATHEMA=Daniel Cavanagh」という認識によります。ジャンルなどどーでもいい。Dannyが居て、彼なりの美意識が聴いて取れたらもう何だって良いんです。「好きなメタルギタリストは?」と訊かれれば「Danny Cavanaghに決まってるだろ、このカス」と突然相手を見下しつつ即答するDanny信者ですから私は。
日本盤ブックレットは、⑥「Barriers」のクレジットがDannyじゃなくVincentになってるんですよ!!ムカつきましたからね!!

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