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Waking the Fury / ANNIHILATOR
火薬バカ一代 ★★ (2006-08-16 22:05:00)
前々作、前作と、ANNIHILATORの理想像に忠実な作品を発表してきたジェフ・ウォーターズ先生が、
久々に頭をもたげて来た実験精神を全開にして作り上げた、'02年発表の9thアルバム。また、ジェフ自身が兼任してて時期を除けば、
同じシンガーのまま、2枚目のアルバムを作る事が出来たという意味でも画期的(笑)な作品。
さて本作。CDを再生すると、いきなり斬り込んでくるノイジーなギター・サウンドに思わず仰け反らされる。
前作「CARNIVAL DIABLOS」はキャッチーとも言える仕上がりをみせていたが、今回は「獣性を呼び起こせ」の題名通り、
再びアグレッシブ方向に揺り戻されていて、凄まじいアグレッションを撒き散らしながら疾走する①、
鉈で両断されるが如きリフの刻みが強烈な③、殆どハードコア・チューンなノリの⑩、
といった楽曲に代表されるように、全体的にかなり前のめりな作風。
それでも本作が、賛否両論分かれた実験作「REMAINS」の再現になっていないのは、その豊潤なメロディの魅力ゆえ。
復活作「CRITERIA FOR A BLACK WIDOW」で開眼した、ジェフのメロディ重視の姿勢は②⑧等の楽曲に明らかなれど、
先述のスピード・チューンにしても、インスト・パートは非常にメロディアスで、アグレッシブな曲調と、
次々に湧き上がって来るメロディの対比が堪らなくドラマチックだ。そして、その極みが⑨“STRIKER"。
前作にもIRON MAIDENを彷彿とさせる名曲“EPIC OF WAR"が収録されていたが、こちらはシャープに乱舞するツインGと、
ジョー・コミューのパワフルな歌唱とが相俟って、スラッシーなJUDAS PRIESTといった趣き。
ジェフの作曲能力の高さを改めて思い知らされる名曲である。(正直、ブレイク・パートはいらなくね?と思わなくもないけど)

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