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Chimera / MAYHEM
meteora ★★ (2006-02-07 01:52:00)
De Mystellies~の頃と比べて邪悪度、悪魔度は減ったが、このアルバムでは病的な世界観、陰鬱な雰囲気が強い、という印象がある。どこかのインタビューでこのアルバムができるまでの経緯を見たが、メンバー間の確執、薬物依存との戦いなどを経てようやく出来上がった作品のようだ。
その薬物依存による戦いの最中に作られた、ということはまずアートワークに表れている。これはキマイラを描写したものだろうが、薬物による幻覚が生み出した怪物をそのままアートワーク化したものとも思える。アルバムの雰囲気を如実に伝える秀逸なジャケである。
サウンドは名作と名高い1stとは違う。しかし、ここのアルバムに表れているサウンドは紛うことなきMAYHEMのそれである。危険で聴き手を圧倒するサウンド、ブラックメタルの真価をまざまざとみせつけるかの質の高い楽曲は1stに勝るとも劣らない。ただ表現方法が違うというだけなのだが。
肝心の楽曲の方は、1曲目のWHOREからやってくれたな、と思った。イントロからヘルハマーの超絶ドラムが炸裂し、邪悪極まりないギターのリフがそこにのる。聴き手を一気に弱悪な世界へとひきずりこみ、MANIACの激烈なデスボイスが炸裂する。これぞMAYHEMである。いきなり魅了された。4曲目のMY DEATHの重く陰鬱な感じや5曲目のYou must fallの厭世的で荘厳かつ悪魔的なサウンドも好きだ。後半少しだけだれるが、アルバム一枚聞き終えたときの満足感は最近のブラックメタルにはなかったものだと確信できる。
あと、このアルバムのサウンドには前々作にはなかった、アジアの密教系の雰囲気も感じられる。特に5曲目の間奏部分とか。
・・・・まあ個人的には1stの方がすきなのだが、そのアルバムとほぼ同じくらい自分の中でもヘビロテになっている。ブラックメタルファンはマストバイ!
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