この曲を聴け!
Chimera / MAYHEM
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2004-04-21 19:50:00)
ブラックメタルの超大御所の待ちに待った新作!!
今回はWLAの様にイントロにノイズ系のインストを配したり、GDOWの様に十分近くもあるまったりした曲を入れたり、殆どテクノのような曲を入れたりといった実験的要素は殆ど見られず、ストレートでかっこいい小細工無用なブラックメタルが楽しめます。
個人的な聴き所を挙げるとすると、まず第一に耳についたのがNecrobutcherのベースの音が非常に良く録られていて、かなり歪んだ音であるのに異様な存在感があって、曲によってはベースを聴いているだけで不安になるような感じがします。確かこのNecrobutcherは確か結成当時のオリジナルメンバーで、おそらく20年近くのキャリアのあるベテランのはずで、今回のアルバムを聴いて「やっぱり20年というキャリアは伊達じゃないなぁ」と、ベースに詳しくない私でも圧倒されてしまいました。
もう一つは、Maniacがデス声での表現の幅を広げている事。
WLAで見せたような普通声、GDOWで見せたような語りは今回殆ど聴かれる事はありませんが代わりに今まで通りのぎゃあぎゃあした喚き声は勿論の事、地声を適度に混ぜたようなデス声、うめくような囁き声など色々なパターンを使い分けていて、一本調子になることを防いでいます。
まあ少しだけ不満があるとすればドラムがプレイ自体は物凄くって、いつも通り圧倒的なんですがGDOWやEUROPIAN LEGIONの時と比べて少し篭もり気味な感じがします…とはいっても、それは音質の良すぎた感のあるGDOWと比較しての話で音が悪いという訳ではないので全然聞き苦しいとかそういう事は無いです。ギターにしても時々「おっ」と思わせるような陰鬱でかっこいいメロディを入れてきたりして、正に4人がそれぞれに存在感を持った素晴らしいアルバムだと思います。
もしかしたらMAYHEMのアルバムの中で一番好きかも…
余談ですが今回はアートワークが最高(笑)4面開きのデジパックでそれぞれにメンバーの写真が載っていて、凄くかっこいいです。特にナイフを持って睨み付けるManiacと豚の生首を中心に据えている集合写真はもうポスターにして部屋に飾りたいくらいです(笑)でもタイトルトラック「Chimera」の歌詞はもう少し大きく印刷してくれても…読みにくいったらありゃしない。
→同意