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Devil's Ground / PRIMAL FEAR
絶叫者ヨハネ ★★ (2006-02-17 00:01:00)
↑などと、恥も外聞もなく某キャプテン風の煽りをしたくなってしまうほど素晴らしいアルバム。
しかし正統派HM好き、いや、いやしくもヘヴィメタルという音楽のコアにある「精神」に惹かれる者ならば、何はなくとも絶対に聴くべき作品だ!!!!
スタイル的にはオリジナリティのかけらもない、それどころかあまりに古すぎ、カビが生えてもおかしくないほど古臭い正統派メタルなのですが、それが彼らの手にかかると何という輝きを放つことか。
ラルフのスクリームが凄いとか、マット・シナーのメロディセンスは天才的だとか、良いところを上げれば本当にキリがないのですが、何より素晴らしいのは彼らが本当に「へヴィメタルとは何かがわかっている」ことに尽きると思います。
スタイルが正統派だとかそういう音楽的な形式ではありません。HMの美学の真髄というか、音楽としての魅力の核心をなす部分、自分も含め伝統的なHMの好きな人の多くが、「それゆえにメタルに惹かれ、飽きることなく何年も聴き続けている」、その決定的な「それ」を彼らは実によくわかっているのです。だから曲展開やちょっとしたフレーズ回しでも、心憎いほど「それしかない!!!」という所を突いてきます。特にアルバム本編のラスト⑪のサビで、私は半ば気絶させられました。これはPrimal Fearが、というより今に至るHMの営為があればこそ生み出された究極のクライマックスであると、私は信じます。
たぶん、これは彼ら自身が本当に心からHMを愛していて、その素晴らしさを素直に感じているからこそ、なのでしょう。単に流行りだからとか、自分たちの音楽性の幅を広げるために、とかいう動機で、ツインリードを取り入れるようなどこぞのメタルコアとはわけが違うのです。おそらく彼らはメタルを嘲笑するオーディエンスに囲まれても、はっきりと「俺たちはメタルを愛している、この音楽の力を信じている。だからそれがどんなに素晴らしいものか、いまから君たちに見せてあげよう」と言ってプレイを始めるような人々だと思う。
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