この曲を聴け! 

親愛なる者へ / 中島みゆき
夢・マグナム・ナイト ★★ (2004-02-20 21:24:00)
歌詞カードにポエムがある。その最後に「たとえばあんたも ひとりぼっちなら(中略)本気であんた手を出すよ わかるかい」とある。その言葉は、このアルバムのマジな空気につながる。初期の最高傑作だと思っている。音楽的にも表情的にも。
収録曲に捨て曲(いわゆる、とばしてもいいような曲)は全くないといっていいだろう。が、1曲、“ダイヤル117"という曲がある。これが、もうやりきれないほどの曲なのだ。簡単に「暗い」というのがいいのかもしれないけれど、この辺になると、聴いている側もかなり気合が入る。アルバム全体、張り詰めた緊張感があり、持ち出す例がおかしいかもしれないが、METALLICAの「…AND JUSTICE FOR ALL」を思い起こす。
つまりは真剣すぎるのだ。その真剣さがいわゆる「暗い」という表現になってしまうのだろうと思うが、最高傑作といっておいてなんだが、ただ、この頃のみゆきさんには、若さ故の鋭さがあるのだ。俺はこの歳になると、それが少しキツイ時がある。その逆が井上陽水の「氷の世界」だと思っちゃうのね。同じように、本気で手を出されているんだけど。
バックの演奏陣に斉藤ノブ、つのだ・ひろ、羽田健太郎などが顔を見せている。本人はイケイケだったに違いない。でなきゃ、こういう作品は作れない。

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