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Shinin' On / GRAND FUNK

エガラー ★★ (2010-07-29 19:42:00)
73年リリースの7thアルバムの商業的大成功を収めたGRAND HUNK RAILROADは言うまでもなく人気絶頂期を迎えた。そして翌年の74年の初めには次作となる8thアルバム「SHININ ON」すなわち本作をリリースし、アルバムチャートでは5位を記録しミリオンセラーとなったが、セールス的には前作に及ばなかったものの、シングルの「THE LOCO-MOTION」はシングルチャート1位を記録し、GFRのシングルとしては最大ヒットとなり、話題性は全く衰えてはいなかった。ちなみにプロデュースは前作と同様、トッド ラングレンが担当し前作の延長線といえるような仕上がりとなった。
前作では初期のGFR十八番のハードロックサウンドにゴージャスな大衆要素を追加させたようなサウンドで話題になったが、本作もそういった要素が強く、ハードロック色に関しては前作と比べたら少々薄くなった印象があるものの、スケールとクオリティーに関しては前作を凌ぐかもしれない。本作のオープニングを飾るタイトルトラックの(1)はプログレ要素が強くゴージャスなロックナンバーに仕上がっており、無論聴き応えも抜群で、特にキーボードのサウンドが印象的(だからプログレ)で、これもGFRの代表曲のひとつでも有名で、またシングルカットされシングルチャート11位を記録した。(2)は地味な印象が強いが、特に問題はないと思う。そして本作の目玉の一つがシングルヒットした「THE LOCOーMOTION」(3)で、ご存知ヒット曲カヴァーだが、原曲よりもダイナミックなサウンドが印象的で、GFRらしさもでている。そして(4)は(1)比べたら落ち着いた印象が強いが、プログレ要素が強く、かなりダイナミックな要素も強く、聴き応えも申し分ない。これに続く(5)はシンプルなロックナンバーで聴き応えはあるが、少々地味な印象があるが、特に問題はなく、また(6)は本作の収録曲の中では最も地味かもしれない。そしてダイナミックなハードロックナンバーの(7)は当時の時代背景を強く感じさる様なサウンドが印象的で、聴く者によっては古臭さを感じるが、個人的には本作の中では(1)に次ぐほどのお気に入りのナンバーで、その古臭さがとてもかっこよかったりもする。(8)はゴージャスなファンク風ハードロックナンバーで、ダイナミックさはそれほどではないが、聴き応えは申し分ない。本作のボーナストラックとなる(9)は、(3)のシングル化の際、B面という形で収録されてた曲で、プログレ要素が強い大作志向なロックナンバーで、無論聴き応えは抜群だが、このクオリティの割には何故オリジナルで収録されなかったのかが疑問に残る。やはり内容面でもトータル的には前作に及ばないと思うが、GFRアルバムの中では完成度に関しては本作が一番かもしれないし、トータル的には前作に次ぐ内容だと思う。とにかくGFRに興味があれば本作は必聴作といってもいいだろ。
評価98p