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Hall of the Mountain King / SAVATAGE
火薬バカ一代 ★★ (2007-07-18 21:27:00)
以後、長い付き合いとなるプロデューサーにして盟友のポール・オニールと初めてタッグを組み、試行錯誤の感じられる内容だった
前作『FIGHT FOR THE ROCK』から一転、Keyを効果的に導入して、クラシカル且つドラマチックに盛り上がって行くという、
今に至るSAVATAGEサウンドの基本スタイルを完成させた、'87年発表の4thアルバム。
取り分け、グスターヴ・ホルストの『惑星』から“火星"と、ペールギュントの“山の魔王の宮殿にて"を引用した
劇的でクラシカルなインスト曲⑤と、様々な声色を使い分けるジョン・オリヴァのシアトリカルな歌唱が映える
ダークで壮大な⑥は、本作最大の聴き所であるだけでなく、中期SAVATAGEをも代表する超名曲の1つ。
ただ、その⑤⑥も含めて、一口にドラマチックと言っても、「華麗さ」や「気品」の漂う5th『GUTTER BALLET』以降のテイストとは
少々異なっていて、未洗練なサウンド・プロダクションにしろ、ファンタジー趣味に深く傾倒した歌詞世界にしろ、
より無骨で荒々しい攻撃性丸出しな楽曲にしろ、未だパワー/スラッシュ・メタル風味を色濃く残していて、
ある意味、インディーズ時代の作品(『SIRENS』『THE DANGEONS ARE CALLING』)に先祖帰りを起こした作風と言えなくもない。
特に、重心低く押し出してくる①、重く、ダークでドラマチックな本編序盤のハイライト・チューン的存在の②、
クリス・オリヴァの構築感に溢れた泣きのGソロに涙する③、故レイ・ギランがバックVoとして参加している
シングル向きの佳曲④といったハイクオリティな楽曲が並ぶアルバム前半の充実っぷりはお見事で、
本作以降、本格的に追及されていく事になるSAVATAGE流ドラマチックHM路線の始まりを告げる作品としてだけでなく、
「初期パワー/スラッシュ・メタル路線の集大成的作品」としてもお薦めの1枚。

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