この曲を聴け! 

Bloodletting / OVERKILL
火薬バカ一代 ★★ (2009-08-01 00:53:00)
パワー・メタル色を薄れさせ、みるみるマッチョ化が進んだボビー・ガスタフソン脱退以降のOVERKILLには
嘗て程の思い入れを感じられずにいたのだけれど、そうした意識を一変させてくれたのが、この'00年発表の11thアルバム。
久々に4人編成に戻って制作された本作は、一分の隙もなくビルドアップされまくった、ソリッドでストロングな
作風は相変わらずなれど、勇ましくキャッチーな歌メロをしっかりと「歌う」ブリッツのVoといい、
メロディックなソロを聴かせてくれるデイヴ・リンクスのGといい、ここ数作の中では一際
初期の頃を思い起こさせるパワー/スラッシュ・メタル色が強く表れた仕上がりなのが嬉しい。
また、リズム隊にもスラッシュ・メタル的なフットワークが復活しており、とりわけ、硬質且つダイナミックに疾走する
②③④、メロウなイントロを備えた⑦、重厚にして劇的な⑧、ストレートなスラッシュ・ソング⑨といった楽曲は、
マッチョ路線で培った現代的なパワー&ヘヴィネスと、スラッシーな疾走感、そして初期の頃を思い起こさせる
正統派HMに根差したメロディ・センスが巧みに組み合わされた名曲。
新旧の作風に上手いこと折り合いを付けた、中期OVERKILLの魅力が判り易く詰め込まれたパワー漲る1枚。入門編としてもどうぞ。

→同意