この曲を聴け!
Anthems of Rebellion / ARCH ENEMY
GIHALA ★★ (2003-10-30 12:45:00)
あえて否定的な意見を。
物凄く期待していたし、絶対に期待を裏切らないバンドだと絶大な信頼を寄せていただけに、このアルバムはツラいんです。
いや、間違い無く質は高いと思うんですよ。サウンドプロダクションもこの方向性には良く合っているし、やりたかった事も分からないワケじゃない。ドラムもカッコいい。これが「進歩」だというならそうなのでしょう。
問題なのは、「聴き手がARCH ENEMYに何を求めるか。」だと思うんです。
大方の皆さんが期待するのは、やっぱり「Amott兄弟の奏でる華麗でエモーショナルなツインリード(と、暴虐的なサウンドとのコントラストが生む対称美)」だと思うんですよ。私の場合、正にコレなんです。前作では、この要素の出来が素晴らしかったので、Angelaの感情表現の方向が単一的なvoもその対比として聴く事が出来た。ところが、今作ではその肝心要のツインリードは大幅に減らされ、さらにはvoの表現力が落ちている。コントラストもクソも有ったモンじゃない。これじゃあ何処を聴いたらいいのか分からんというものです。
「もうメロディーやドラマティックな展開は捨てたんだ。」という事なら仕方が有りませんが、それだったら、ハッキリ言って他のブルータルなバンドを聴いた方がマシ。へヴィでブルータルなのを聴くなら、ARCH ENEMYというバンドに拘る必要は全く無い。
…とまあ、文句ばかり言い連ねてしまいましたが、それでも「ただの駄作」と言って切り捨てる事が出来ないんですよ。この後の展開次第では、このアルバムもそれなりに意味を持ってくるのかも知れないんじゃないか、と。
JUDAS PRIESTがメタルゴッドと呼ばれる以前、ヒステリックなハイトーンvoと泣きのギターソロを売り物にしていた彼等が、「BRITISH STEEL」でその要素を捨てた。当時のファンはその急激過ぎるスタイルの変化に混乱した。だがその後、「SCREAMING FOR VENGEANCE」「DEFENDERS OF THE FAITH」でファンを圧倒し、ついにメタルゴッドとしてシーンに君臨するに至った…。
って事がまたARCH ENEMYにも起こり得るかも知れません。期待し過ぎかも知れませんが、それだけのポテンシャルをこのバンドは充分秘めていると思うんです。
バンドのこの先を、暫く眺めてみようと思います。
→同意