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Shades of Deep Purple / DEEP PURPLE
殺戮の聖典 ★★ (2008-05-20 01:09:00)
ハード・ロック史に名を残す伝説的バンドによる'68年発表の記念すべきデビュー・アルバム。
ジョン・ロード(Key)が在籍していたROUNDABOUTなるバンドに元OUTLOWSのリッチー・ブラックモア(G)とFLOWER POTMEN等でプレイしていたニック・シンパー(B)が合流、バンド名を「DEEP PURPLE」と改めたのち、THE MAZEのロッド・エヴァンス(Vo)とイアン・ペイス(Dr)が加入して誕生した第1期DEEP PURPLEによって産み出された作品である。
名盤「IN ROCK」以降に聴かれる激しくインテンスなプレイはまだ顕著ではないものの、ハード・ロックとクラシックを融合したかのようなサウンドは「アート・ロック」と称されて持てはやされた。
いきなり全米4位を記録するシングル・ヒットとなったJOE SOUTHの「HUSH」を始め、エキセントリックなアレンジのSKIP JAMESの「I'M SO GLAD」、美しくメロディアスなTHE BEATLESの「HELP!」、熱のこもったプレイを聴かせるJIMI HENDRIXの「HEY JOE」といったカヴァー曲がアルバムの多数を占めているが、軽快なインスト曲「AND THE ADDRESS」、この上なくキャッチーな「ONE MORE RAINY DAY」、「I'M SO GLAD」へと続くメドレー構成で「PRELUDE」を形成するクラシカルなインスト曲「HAPPINESS」、本作において比較的ハード・ロッキングな「MANDRAKE ROOT」、明るく明朗なメロディの「LOVE HELP ME」といったオリジナル曲もなかなかの出来。
ロッド・エヴァンスの歌唱は後のヴォーカリスト達のそれと比較すればさすがに個性不足との感は否めないものの、実にソウルフルで好感が持てる。
本作が名盤であるとまでは言わないが、十分に評価されるに値する作品ではあると思う。
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