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鳳翼麟瞳 / 陰陽座
アラヤ ★★ (2007-05-03 18:27:00)
2003年リリースの4作目にして、メジャー第2弾。
大衆性を増して、バンドの進むべき方向を的確に指し示した名盤だ。
インディーズ時代の陰陽座にあったある種のおどろおどろしさは完全に減退し、歌詞世界やバンド・コンセプトを度外視すると「普通のメタル」に一層近づいたように思う。
しかしながらバンドそのものが存在価値を失わず、ファンの数を格段に増やすに至ったのは何よりもその卓越したメロディ・センス。
黒猫が単独でVoをとる"妖花忍法帖"に代表されるようなある種歌謡曲的なメロディ使いは、天才ソングライター瞬火の真骨頂。
そのメロディの輝きの前には、初期の彼らにおける奇妙な世界観へのこだわりなどは雲散霧消してしまう。
ピアノのみをバックに黒猫がしっとりと歌い上げるバラード"星の宿り"~完全なるポップス"舞い上がる"まで、楽曲ごとの振幅は増していながらも優れたメロディを聞かせることに焦点が絞れているので、まともな感性を持ったロック・ファンであれば誰でも楽しむことが出来るだろう。
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