この曲を聴け!
レティクル座妄想 / 筋肉少女帯
TBR ★★ (2004-11-17 16:02:00)
前回のコメントは私が知らないうちに書かれていたもので、純然たる私の感想ではありません。
よってもう一回書かせていただきます。
嬰児菖蒲さん(みどりごあやめさん…でいいんですよね?)が書いたとおり、非常に陰鬱で頽廃的な世界が構築されており、結果的にTOY'S FACTORY でのラストアルバムとなった前作『UFOと恋人』の独特ながら親しみやすい(誤解を招く言い方だが)ポップな世界とは明らかに一線を画している。
「カチッ、カチッ」という時計の音と不気味な笑い声に導かれて始まる「レティクル座行超特急」から、本作収録曲の全てがピチカート・ファイヴの『月面軟着陸』のようにグチョグチョ渦巻く後半が心地良い陶酔へと誘う「飼い犬が手を噛むので」まで、息つく暇を与えずに12曲の小宇宙が展開される様は、リリースから10年が経った今聴いても非常にスリリング。ファンなら(ファンでなくとも)一度は聴いておかねばならないほどの名盤、といっても過言ではあるまい。
ただ、この作品は非常に世紀末的でシニカル、そして陰鬱なので、服用の際十分に注意を払わなければならない。
1.希望に燃える若者は聴いてはならない。聴かせるならば、落ち込んでいるときや、腹が立っているときを見計らって服用すべし。
2.初めてのファンは聴いてはならない。まず『月光蟲』や『仏陀L』、『SISTER STRAWBERRY』など過激な成分の少ない名作を聴かせた後、ステップアップとして服用すべし。
勿論興味のある方はどんどん聴いて頂いて構わない。とにかく聴き、その破滅の美学に酔いしれろ。
→同意