この曲を聴け! 

Bounce / BON JOVI
190 ★★ (2003-09-28 16:17:00)
久々約1年ぶりにCDを購入。
長い間じっくり音楽を聞く暇も無く山奥にこもってましたが、やっと以前の環境に戻り、HM/HR生活復帰第一発目に買ったアルバムがコレ!(今頃だが・・・)
いや~イイですな!やっぱロックの音は最高。ボン・ジョヴィも最高。ずっとファンで良かったよ~。ロック魂も復活してるね。相変わらず質の高い曲がズラリと揃ってるし、まあまあの出来だね!
「UNDIVIDED」「BOUNCE」なんかは抜け出た存在だし、「HOOK ME UP」などもまあまあイイ。
ただ、「アルバム作品」として全体的に見た時、どうしても傑作という2文字は浮かんでこなかった。たしかに個々の曲に関して言えば相変わらずレベルは高い。・・・高いのだが、名曲は無い。なんか物足りない。代表曲と言える必殺ナンバーも見当たらない・・・
つまらないとまではいかないにしても、聴いててな~んか面白みが無く、ワクワク何度も何度も聴き返すということは無かった。 何故だろう?・・・
1曲1曲じっくり聴いていくと、さすがすぐれた内容だなぁとは思うが、つかみ所がばらけてしまっていて、イマイチ「アルバムの良さ」が微妙に消されてしまっているように思う・・・
漠然としか分からないが、個人的にいまひとつと思った所は、「ジャケデザインの暗さ」や「曲順」「アルバム全体の流れ」、そして「ハイライト部分の場所、そしてその位置付けは?」と言った部分が気になった。『必殺の勝負曲はどれ?』ってやつです。
曲順に関しては、ロックトラックとバラードナンバーを上手にちりばめているし、最初と真中と最後にバリバリのハードロックナンバーを置いて、全体的に曲をバランス良く並べてはいる・・・。 が!、そこが原因でもあるような気がする。きれいに並べすぎたせいで、逆にメリハリも緩急も無くなり、「波」「流れ」がゆるやかに一定化してしまっているような感じ・・・。 聴き所がまばらになってしまっているような・・・。 残念ながら最高潮にテンション上げて、集中して盛り上がれる部分は無かった・・・というのが正直なところ。。。
すべての曲が平均して良い曲であってもアルバム全体の流れに「大波」「小波」が無ければインパクトも多少弱まってしまうのでは?
聴き手側に、最初から最後まですべての曲に集中力を持たせると言う事は非常に難しい事である。・・・と言うか無理に等しい。・・・な~んかこの作品はそこを狙いすぎて微妙に自滅してしまっているような感じ・・・
「勢いのある曲」や「盛り上がりのある曲」も、ある程度は一部固めておく必要があるのかなぁ~・・・と感じさせられた。
『同レベルの良い曲』をきれいにいっぱい並べすぎたこ事により、リスナーの目や耳が一部分に集中しづらく「アルバム自体」の印象やインパクトが薄れてしまったように思えてならない。
かといってスルメ的な要素もそれほどあるとも思えない・・・。「熟成しすぎてしまっていてつまらない」という贅沢な言い方が正しいかもね・・・
どちらかと言えば、前作CRUSHの「IT'S MY LIFE」のような突き抜けた「必殺の1曲」があった方が記憶残りやすく、インパクトがあって良いし、ぶっちゃけ前作の方が好きかなぁ・・・。
どこに比重を置いて、どの部分に拘って、いかに上手くバランスを取るかがカギ?
そう! この作品には飛び抜けた必殺曲は無いが、平均して良質の曲(ほとんど全曲)がズラリと並んでる!・・・実はそこがが最大のマイナス点であり、アルバムとしての面白さに欠けた部分でもある・・・というふうに感じる。・・・なんとも歯がゆい所ではあるが・・・
どっちつかずの中途半端な作品にはしたくないだろうし・・・。 うぅ~む、超難しいねぇ・・・一つの芸術作品を作るってのは・・・。 捨て曲もあった方が、他の曲が引き立つし、いいのかも?・・・なんて思う今日この頃。って言うか、実際なじみづら~い捨て曲っぽいのがあった方が逆にアルバムが引き締まって面白くなる?とも思っている。
ただ、これは物凄く難しい事だけどね! 「アレもコレも」と欲が出てしまい贅沢な意見をぶつけても・・・人間なんだから・・・神様じゃないんだから無理だよね・・・。 でも、完璧は無理にしてもそれに近づける事は出来ると思う。スーパーバンドには、やっぱりそこを目指してほしいいし・・・。普通にHM/HR全体としてのアルバム評価をしなきゃいかんのに、「ボンジョヴィなんだから」という高い目線での評価をしてしまうのは理不尽だがねぇ・・・
ボン・ジョヴィともなれば、当然ファンからは常に上質なアルバムを期待されてる訳だし、決して駄作は許されないし、個々の曲自体の方も「LIVIN' ON A PRAYER」みたいな曲を望まれている。どんなにいい作品を作っても、過去の名曲と比べられてしまう。ニューアルバムを作るにしても、ファンからは「前作よりも良い作品を!」と過剰な期待を受けてしまう。
過去のイメージなどから期待がふくらみ過ぎてしまう事によって、新作が少しでもファンの先入観とズレがあれば、その期待と現実のギャップはさらに広がってしまう・・・。
・・・スーパースターの宿命・・・つらいねぇ。 彼らがスーパースターであるがゆえに「ボン・ジョヴィにしてはイマイチだなぁ」という錯覚も起こるのは当たり前。
自分がこのアルバムを聞いて「何かイマイチなんだよなぁ・・・」と感じたのも、少しはそういった部分が絡んでいると思われる。
ボン・ジョヴィの歴代オリジナルアルバムを好きな順番に並べてみたら、この作品の下には残念ながら「BON JOVI」「7800°FAHRENHEIT」しかなかった・・・が、個々の曲で言えば相変わらずイイ曲揃ってますんで、ボン・ジョヴィ好きなら買って損は無いハズだよ!
・・・そんなこんなで、曲単体では、良質のモノばかり。 でも、アルバムとしては、普通(良くて「中の上」止まりか?)。 という感想・・・
だいぶ辛口になってしまったが・・・、まぁ~どっちにしても、そんな厳しい中でこれだけ良質の作品を仕上げてきた訳だから流石と言えば流石。
まあいいか?・・・ボンジョヴィは「アルバム」で楽しませるバンドではないし・・・まあまあの出来では!?
曲が良質なので、買って損はしないと思いいます。
・・・「しかし、いい加減ボーナストラックはホントにやめてほしいよ~」
「アーティスト達が精魂込めて作り上げた芸術作品をブッ壊さないでくれぇ~!」
バランスというものがこんなにも大事なのにぃ~・・・せっかくの作品がダメになるぅ~(涙)。。。 まぁこれはバンド側のせいじゃないだろけど・・・

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