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The Magician's Birthday / URIAH HEEP
火薬バカ一代 ★★ (2010-08-18 21:28:00)
『魔の饗宴』なる物々しい邦題が付けられた、'72年発表の5thアルバム。
デビューから僅か数年の間に5枚のスタジオ・アルバムを制作し、しかもその何れもが
「捨て曲なしの名盤」と評されるに相応しい完成度の高さを誇っているのだから、
多くのファンがこの時期を「URIAH HEEPの黄金時代」と呼ぶのも納得が行くと言うもの。
特に本作は前作から1年足らずという短いスパンでレコーディングされているにも関わらず、
そのクオリティは無類。この頃のバンドの創作意欲がいかに神憑っていたか、良く分かります。
意表を突いてアコースティック・ナンバーで幕を開けた前作に対し、「これぞURIAH HEEP」たる壮大にうねる
OPナンバー①に始まり、妖しく不気味、それでいて華麗でドラマティックなプログレッシブな大作ナンバー⑧
にて締め括られる本作は、“EASY LIVIN'"のようなキャッチーな名曲こそ見当たらないものの、全編に満ちる美しい
哀メロの魅力と、オカルトをテーマとしたコンセプト作としてのまとまりの良さでは、前作を大きく凌ぐクオリティ。
掻き鳴らされるアコギとエレキの絡みが哀感を高める③、暗い泣きを纏ったヴァースから、
希望の感じられるサビメロへの展開にグッとくる④、そしてムーグ(テルミン?)のヒステリックな
音色が印象的な⑥といった楽曲を聴くにつけ、「前作より好きだな」としみじみと実感する1枚。

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